演題

高度リンパ節転移を伴う食道癌に対する治療戦略

[演者] 矢川 陽介:1
[著者] 成宮 孝祐:1, 工藤 健司:1, 前田 新介:1, 太田 正穂:1, 大杉 治司:1, 山本 雅一:1
1:東京女子医科大学病院 消化器外科

(はじめに)本邦においてはJCOG 9907試験の結果によりStageII,IIIに対する治療はFP療法後の手術が標準治療となり定着してきた.しかしながら,広範囲にリンパ節転移を有する症例やBulkyなリンパ節を有する症例,局所が限りなくT4に近い症例など,StageIIIの中でも明らかに成績の悪い群を高度進行食道癌と定義し治療戦略につき検討を加える.
(対象と方法)当科における治療方針として広範囲リンパ節およびBulkyなリンパ節を有する高度進行食道癌に対しDCF療法を先行し,T3以上T4未満の局所進行例に対しては術前放射線化学療法にて40Gyにて手術施行としている.2013年7月より2015年12月までに当科で経験した前者19例をA群,後者4例をB群として病理学的組織学的効果判定,予後につき検討した.(結果)A群 平均年齢 60.2歳,男性:女性=19:0 占居部位 Ut:Mt:Lt:Ae=2:10:6:1 DCFは全例1から3コース施行.手術にてR0 16例 R11例R2 2例.組織学効果判定 Grade Ia:Ib:II:III=9:3:2:5で奏功率(Ib以上)は36.8%であった.全例で再発しており予後は観察期間は短いものの1年6ヶ月が最長であった.B群:平均年齢 66.2歳,男性:女性=3:1 占居部位 Ut:Mt:Lt:Ae=1:1:1:1手術にてR0 1例 R11例R2 2例.組織学効果判定 Grade Ia:Ib:II:III=2:2で全例再発しており予後は1年2カ月が最長である.
(結論)T3に含められる広範囲にリンパ節転移を有する症例やBulkyなリンパ節を有する症例,局所が限りなくT4に近い症例に関しては現在の治療方針では決して満足のいくものではなく,再発後の治療を含め再検討が必要と考える.
詳細検索