演題

切除不能T4食道癌に対するDCF-R療法の有用性

[演者] 太田 喜洋:1
[著者] 立花 慎吾:1, 渡辺 隆文:1, 髙橋 恒輔:1, 須田 健:1, 星野 澄人:1, 逢坂 由昭:1, 粕谷 和彦:1, 勝又 健次:1, 土田 明彦:1
1:東京医科大学病院 消化器外科・小児外科

【背景】当院では切除不能な進行食道癌症例(T4, M1)に対して根治的化学(放射線)療法を行ってきた.しかしながら,標準治療であるFP+Radiationの予後は極めて不良であり,予後の改善を目的とし2004年よりFPにDocetaxelを加えたDCFによる化学療法を開始した.DCFはM1症例に対しては優れた効果を発揮する一方で,T4症例では十分な効果が得られなかったため,2007年よりRadiationを加えたDCF-Rを開始した.【目的】切除不能進行食道癌症例より明らかな他臓器浸潤を伴ったT4症例を抽出し,異なるRegimenによる成績をretrospectiveに比較することにより,現時点での最良の治療法を検討する.【対象および方法】1998~2010年に初診時にT4と診断し,当科で治療を行った69例を対象とした.治療方針として1998~2003年はLow dose FP+Radiation(FP-R),2004~2006年はDCF単独,2007年以降はDCF+Radiation(DCF-R)をそれぞれ行った.照射範囲はFP-R群では主病巣と2群のリンパ節を含めた範囲および1.5cm以上のリンパ節とし,DCF-R群では主病巣の辺縁より上下3cm,幅1.5-2.5cmの範囲および1.5cm以上のリンパ節とした.いずれも1回2Gyで計60Gyとした.【結果】T4症例の内訳はFP-R群:DCF群:DCF-R群,それぞれ39:10:20例であった.大血管への浸潤はそれぞれ18/39(46%):2/10(20%):5/20(25%),気管・気管支への浸潤は15例(38%):7例(70%):14例(70%),両方への浸潤は6例(15%):1例(10%):1例(5%)と,FP-R群には大血管への,またDCF・DCF-R群には気管・気管支への浸潤症例が多くみられた.治療による1次効果では,CRはそれぞれ1例(3%):1例(10%):8例(40%),PRは18例(46%):7例(70%):8例(40%),NC/PDは20例(51%):2例(20%):3例(15%)であった.1年生存率は21%:10%:70%で,生存期間中央値はFP-Rが184日,DCFが191日,DCF-R群では540日であった.【結論】切除不能な進行食道癌に対して,DCF-Rによる根治的CRTは極めて有用で,現時点での最良の治療法と考えられた.
詳細検索