演題

胃管再建困難な食道癌症例に対する再建は結腸再建が良いのか

[演者] 辻 俊明:1
[著者] 中森 幹人:1, 中村 公紀:1, 尾島 敏康:1, 勝田 将裕:1, 早田 啓治:1, 加藤 智也:1, 山上 裕機:1
1:和歌山県立医科大学附属病院 消化器外科・内分泌・小児外科

【背景】胃切除後,同時性胃癌のため胃管による再建困難な食道癌症例では小腸・結腸再建が行われることが一般的である.これらの再建は胃管再建と比べて腸管壊死や縫合不全の発生率が高く,手術手技も煩雑である.現在当科では右側結腸を用いた再建を行っており,その結果について報告する.【対象】2010年より2016年に施行した食道癌回結腸再建例21例(男性20例女性1例,年齢52-84歳(中央値69歳))を対象とした.【結果】胃管再建困難な原因としては胃十二指腸潰瘍手術既往6例,胃癌15例(同時性5例異時性10例)であった.3例で胃全摘,13例で幽門側胃切除の既往を認め,5例で胃全摘を同時施行した.術前治療は化学療法11例,放射線化学療法2例で施行し,病期0期5例,Ⅰ期2例,Ⅱ期7例,Ⅲ期5例,ⅣA期1例であった.回結腸動脈は温存3例,切離18例で,右結腸動脈は10例で認め,そのうち1例で切離した.再建経路は21例すべてで胸骨後再建とした.吻合方法は手縫い8例,サーキュラーステープラー3例,リニアステープラー9例(三角吻合1例,機能的端々吻合7例,overlap法2例)であった.手術時間は444-750分(中央値597分),出血量は80-1055ml(中央値193ml)で,術後合併症は縫合不全4例,吻合部狭窄2例,挙上腸管壊死を1例,遅発性挙上結腸穿孔を2例に認めた.術後のAfは2例に認め,術後入院期間は20-250日(中央値29日)で術前後での体重変化率の中央値は-10%であった.【考察】当科では胃管再建困難な症例では右側結腸を利用した再建を行っており術中には栄養血管である回結腸動脈や右結腸動脈をブルドック鉗子で遮断して腸管血流や腸管蠕動や挙上性を確認しているが入院期間が長期間となる症例も認められ,通常の胃管再建では経験のない挙上腸管の壊死や遅発性穿孔も認められた.結腸再建例では吻合部や挙上腸管の合併症の発生リスクが高く,現在行っている血流遮断テストによる挙上腸管の血流の確認以外にも血管吻合による腸管血流の確保や空腸再建などの結腸以外での再建の検討も必要であると考えられた.
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