演題

当院の腹臥位胸腔鏡下食道癌手術における食道胃管吻合の工夫と成績

[演者] 野々山 敬介:1
[著者] 北上 英彦:1, 原田 真之資:1, 藤幡 士郎:1, 宮井 博隆:1, 髙嶋 伸宏:1, 安田 顕:1, 山本 稔:1, 清水 保延:1, 田中 守嗣:1
1:刈谷豊田総合病院 消化器・一般外科

【はじめに】当院では食道癌に対し,腹臥位による胸腔鏡下食道切除術(TE)を施行している.再建は腹腔鏡下に胃管を作製し,頚部で食道断端と胃管断端を層々連続縫合で吻合を行っている.今回我々の食道胃管吻合の治療成績を検討した.
【対象と方法】2011年4月から2016年8月までに当院で施行したTEを受けた症例39例を対象とし,食道胃管吻合における合併症を後方視的に検討した.手術は左半腹臥位で胸部操作を胸腔鏡下に4ポートで行った後,開脚位とし腹腔鏡下に5ポートで腹腔内郭清と血管処理を行う.十二指腸直上に置いたポート創を5cmに延長し,右胃大網動静脈,右胃動静脈を温存した全胃を体外に誘導する.体外でリニアステープラーを用いて大弯側3cm幅で細径胃管を作製した後,細径胃管の右胃大網動脈の最終枝の拍動を確認しておく.血流に関係ない大網は切除し,幽門形成は行わない.頸部襟状切開にて後縦隔の傘袋を通し,胃管を頚部まで引き上げ,食道断端と胃管断端を3-0,4-0吸収糸を用いて,層々連続縫合で吻合する.経鼻胃管を通しステントとし,吻合部を直線化する.術後,抜管するまで胃管は留置した.術後2日目に造影検査を行い,吻合部の評価を行った.
【結果】すべての症例で細径胃管は右胃大網動脈の最終枝から3cm以内の部位で吻合が可能であった.39例中,男性32例,女性7例であった.各中央値は年齢67歳(51-82歳),手術時間560分(383-793分),出血量100ml(10-530ml)であった.術後経過はクリティカルパスに従い,手術翌日に離床,術後3日目より経口摂取を開始した.吻合部に関する合併症は肝硬変症例に縫合不全を1例認めた.その他の合併症は左反回神経麻痺3例,肺炎3例,創感染2例であった.術後在院日数の中央値は11日(8-40日)であった.
【結語】我々の行っている食道胃管吻合は,吻合部に関する合併症が少なく,非常に有用な吻合法であると考えられる.今回我々の手技の工夫について供覧する.
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