演題

食道胃管器械吻合のBestを探る

[演者] 森谷 宏光:1
[著者] 山下 継史:1, 鷲尾 真理愛:1, 江間 玲:1, 三重野 浩朗:1, 細田 桂:1, 渡邊 昌彦:1
1:北里大学医学部 外科

【はじめに】消化管の器械吻合は1960年代から始まり,食道切除後の胃管再建にいても様々な方法が提唱されている.【目的】食道胃管吻合における器械吻合法での工夫と,その効果を明らかにすることを目的とした.【対象】2013年4月~2016年11月の期間に食道胃管器械吻合を行った109例を対象とした.【方法】Collard変法を93例に行ったが,このうちの前期(CoA)28例は,幅3.5㎝の大彎側細径胃管で食道と胃管をエンドGIAトライステープルパープルで側々吻合を行い,挿入孔を同様のステープラーで閉鎖した.中期(CoB)31例は,胃管壁の血管床を最大限に温存する目的で亜全胃管を用い,挿入孔をエンドGIAトライステープルブラックで閉鎖した.後期(CoC)34例ではさらに消化管壁外の血流を確保するため,胃横行結腸間膜を温存した.また,9例には胃横行結腸間膜を温存した3.5cm細径胃管を使用して三角吻合を行った.【結果】縫合不全はCoA 9例(32.1%),CoBは8例(25.8%)であり,CoCは3例(18.9%)と減少した.吻合部狭窄は前期 7例(25.0%),中期 3例(9.7%)で,後期2例(8.7%)と減少しており,吻合不全を生じた部位は前壁に多かった.術中計測した消化管壁厚(mean±SD)は,食道/胃管/食道+胃管 1.50±0.61㎜/1.70±0.52㎜/3.20±0.91㎜だった.また,三角吻合を行った症例では縫合不全及び狭窄は1例も認めなかった.【考察】胃管の血流が吻合部で乏しくなることが,縫合不全の一因であると考えられる.亜全胃管では,胃壁の血管網を温存され血流の維持に有効であると考えられた.また,吻合部前壁側では胃管は小彎側であるため血流が乏しく,胃管作製の縫合線の影響で消化管壁が厚くなるため,ステープラーによる過度の締め込みは組織の挫滅や微細血流の破壊が生じることが問題であると考え,用いる自動縫合器を組織の厚さに適したステープルを選択することとした.さらに,大網温存による壁外の微細血管網の維持も重要であると考えられた.【結論】Collard変法による食道胃管分吻合は,胃壁の血管網を温存すること及び縫合部の組織厚に適したステープラーを選択することが重要であると思われたまた,症例数が少ないものの細径胃管を用いた三角吻合は手技に起因する合併症を認めておらず,有効である可能性があると思われた.
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