演題

腫瘍径4cm以上の食道胃接合部腺癌の臨床病理学的検討および治療成績

[演者] 野村 尚:1
[著者] 多田 圭佑:1, 山賀 亮介:1, 平田 雄大:1, 石山 廣志朗:1, 福島 紀雅:1, 飯澤 肇:1
1:山形県立中央病院 外科

【はじめに】食道胃接合部腺癌について様々な検討が行われ,胃癌治療ガイドラインでも4cm以下の食道胃接合部癌については治療アルゴリズムが示されている.しかし未だその腫瘍学的特性や治療方針について不明な点も多い.今回ガイドラインでも示されていない4cm以上の食道胃接合部癌について,臨床病理学的事項,治療内容,治療成績について検討し,今後の治療について考察した.
【方法】2000年から2014年に当科にて手術が行われた4cm以上の食道胃接合部腺癌を対象とした.患者背景,術前診断,治療内容,術後病理検査結果,再発有無,再発形式,生存期間について検討した.
【結果】56例の食道胃接合部癌のうち,39例で腫瘍径が4.1cm以上であった.平均年齢68.4歳,男/女=35/4であった.c深達度はSM/MP/SS/SE/SI=3/3/8/22/4, cN0/1/2/3/M1(LYM)=12/10/11/5/2であった. NAC施行4例,未施行33例であった.術式は食道亜全摘: 5例,下部食道切除+胃全摘:32例,下部食道切除+噴切2例であった.郭清は頚部まで2例,上縦隔まで3例,下縦隔まで27例,腹部のみ5例であった.術後補助化療施行は19例,非施行は17例であった.術後病理検査結果では,組織型は分化型/未分化型=24/15,pSM/MP/SS/SE/SI=1/6/10/20/2, pN0/1/2/3/M1(LYM)=6/11/13/9/4, pStage I/II/IIIA/IIIB/IV=3/8/8/10/10であった.術後成績は26例(70.3%)に再発を認め,内訳はリンパ節/腹膜/血行/局所=12/6/17/2で肝転移,脳転移などの血行性転移が多かった.5年生存率: 19.6%, 生存期間中央値:24ヵ月と成績は極めて不良であった.
【考察・結語】4cmを越えるとほとんど進行癌でリンパ節転移も高度であり,多くの症例で術後再発を認めた.リンパ節再発も少なくないが,通常の胃がんに比べ血行性転移が多かった.生存率は極めて不良であった.郭清範囲の拡大では解決できず,積極的な術前化療が必要と考えられた.
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