演題

噴門側胃切除術の再建術式に関する合併症と転帰

[演者] 日高 重和:1
[著者] 若田 幸樹:1, 國崎 真己:1, 和田 英雄:1, 飛永 修一:1, 野中 隆:1, 角田 順久:1, 澤井 照光:2, 安武 亨:3, 永安 武:1
1:長崎大学大学院 腫瘍外科学, 2:長崎大学医学部 保健学科, 3:長崎大学医学部 先端医育支援センター

背景:胃上部の胃癌に対して機能温存を目的として噴門側胃切除術が行われ,その再建法にも様々な方法があり,各々に特徴がある.
目的:噴門側胃切除術のアプローチ法,再建法による術後合併症,転帰経過の違いを明らかにする.
対象と方法: 2000年から2015年までに当科で胃癌に対して行った噴門側胃切除術症例27例について検討した.平均年齢69歳,男:女=16:11で,術後観察期間は約36ヶ月であった.アプローチ法は腹腔鏡下手術(LAPG)16例,開腹手術(OPG)11例であった.再建術式は空腸パウチ間置法(IP)5例,食道残胃吻合(EG)15例,Double-Tract再建7例であった.食道残胃吻合では噴門形成術を全例に付加している.
結果:再建形式による比較では,出血量でDT群137ml, EG群233ml, IP群591mlと有意にIP群に多かった.手術時間には差は認めなかった.在院日数でDT:13日,EG16日,IP:33日と有意にIP群が長かった.術後合併症としては,残胃うっ滞(EG:1例),狭窄(IP1:例,DT:1例),縫合不全(IP:1例),創感染(EG:1例,DT:1例)であった.術後の体重減少率では,術後1ヶ月目はDT:6.9%, EG10.3%, IP14.3%で有意ではないがDT群で減少が少ない傾向であった.術後1年目になるとDT:13.6% ,EG9.7%, IP12.5%で,EG群で減少が少ない傾向を認めた.術前と比較した食事摂取量%では,術後1ヶ月目はDT:53%, EG:57%, IP62%と差はほとんど無いが,術後1年目でDT:78%, EG:78%, IP:83%,術後2年目で,DT:68%, EG:84%, IP:95%と,有意ではないがIP群>EG群>DT群の傾向を認めた.術後経過中に,EG群に術後逆流性食道炎にて内科治療に抵抗性のため胃全摘,再建された症例を1例認めた.術後フォローアップ期間中に嚥下性肺炎を2例(EG2,IP1)に認めた.IP群にパウチ拡張を1例認めた.また術後残胃における新病変に対してESDを2例施行可能であった(EG例).まとめ:今回の検討では,術後早期ではDTのほうが,うっ滞などが少なく体重減少は少ない可能性がある.術後の食事量においてはIP>EG>DTの傾向があり,食事が貯留する容量に関連していることが考えられる.食道残胃吻合においては逆流防止の工夫は必要であり,高齢者においては特に考慮すべきと思われる.
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