演題

経験の少ない術者に安全に行わせる完全腹腔鏡下胃切除術BillrothⅠ法再建(デルタ吻合)

[演者] 高橋 直人:1
[著者] 藤崎 宗春:2, 青木 寛明:3, 高橋 慶太:1, 山本 世怜:1, 志田 敦男:2, 三澤 健之:1, 秋葉 直志:1, 三森 教雄:2, 矢永 勝彦:2
1:東京慈恵会医科大学附属柏病院 外科, 2:東京慈恵会医科大学附属病院 消化管外科, 3:東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 外科

【背景】われわれは当初,腹腔鏡下幽門側胃切除(LDG)B-Ⅰ再建は上腹部小切開創からのcircular staplerによる再建であったが,徐々に十二指腸を先行切離し,完全鏡視下でlinear stapler (LS)を使用した残胃十二指腸側側吻合に移行した.操作の定型化をはかり安定した再建法となってきている.本再建法は患者体型に左右されず,全体像・吻合部が確認しやすいことが長所である.【目的】経験の少ない術者(3名)に対して,完全腹腔鏡下胃切除術BillrothⅠ法再建(デルタ吻合)を安全に行わせるための工夫ポイントを供覧する.【手技1:十二指腸切離】#6郭清後十二指腸球部(P-ring直下)大弯にピオクタニンでマーキングする.ピオクタニンマーキングした大弯が腹側(上)にくるように術者両手で胃をローテンションさせる.LSで十二指腸を前後壁方向に切離する.【手技2:胃切離線の決定】術前内視鏡でマーキングクリップしておく.術中透視を使用してクリップを確認しながらLSで胃を切離する.【手技3:十二指腸受動】十二指腸を約2-2.5cm長に剥離,特に小弯側の剥離を十分におこない可動性を高める.【手技4:エントリーホール作成】胃側はステイプルライン大弯端を大きめにカットする.十二指腸側はステイプル断端を把持し,ステイプルラインと平行に切離し,小孔を開ける.ステイプル断端は残しておく.【手技5:器械吻合】胃小孔にLSカートリッジフォークを挿入した後,胃を捲りあげ後壁で吻合できるように待機しておく.十二指腸断を術者が両手で把持して,出来るだけフォークのベクトルに合わせる.十二指腸小孔をアンビルフォークにかぶせるように挿入する.約5cm長に胃後壁と十二指腸後壁同士を扇状・段差がない様に合わせる.フォーク先端での十二指腸穿孔や周囲臓器の巻き込みがないことを確認後ファイヤーする.ステイプラー挿入口は3針針糸で仮閉鎖し,LS2回で閉鎖する.【考察】デルタ吻合は十二指腸切離時と胃十二指腸側側吻合時にピットフォールが多い.前者はピオクタニンで可視化することで前後壁に切離することが容易になる.胃十二指腸側側吻合時は十二指腸断端のステイプルを把持することで,LSアンビルフォークへの挿入が平易となる.経験の少ない術者がカメラ術者,第1助手,DVDで学習し,上記手順を徹底させることで安全性が高まる.
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