演題

Ramucirumab投与中に消化管穿孔をきたした胃癌小腸転移の1例

[演者] 浦川 真哉:1
[著者] 坂井 大介:1, 宮崎 安弘:1, 瀧口 修司:1, 高橋 剛:1, 黒川 幸典:1, 牧野 知紀:1, 山崎 誠:1, 森 正樹:1, 土岐 祐一郎:1
1:大阪大学医学部附属病院 消化器外科

症例は67歳,男性.胃癌左副腎転移に対して,術前化学療法としてDCS療法を実施し,効果判定がPRであったため,腹腔鏡下胃全摘術・副腎合併切除術を施行した.病理結果はType2, 40×30mm, adenocarcinoma, pT4a, ly2, v0, pN(0/19), pM1(ADR), Grade 1a, HER2(IHC score3)陽性であった.術後8か月目に肝転移,リンパ節転移,骨転移再発をきたした.一次治療であるSP+ trastuzumabがfailureした後に,二次治療としてramucirumab + paclitaxelの併用療法を導入した.治療開始から1.5か月経過後,ラムシルマブ 最終投与日から7日目に,4日前より出現した腹痛で当院を受診した.血液検査でCRP33.6と炎症反応高値であり,腹部 CTで上腹部にfree airを認めた.消化管穿孔・腹膜炎の診断で緊急試験開腹術を行った.術中所見では,前回手術の際の空腸空腸吻合部(RY再建)の50㎝肛門測に小腸穿孔を認めた.腹膜播種や漿膜外浸潤を疑うような病変は認めなかった.穿孔部を含めた空腸部分切除および一期的吻合を行った.術後合併症なく,POD23に退院となった.病理学的所見では,腸管上皮には悪性所見を認めず,粘膜下層から漿膜下層まで腫瘍性細胞を認めた.組織はadenocarcinomaであった.化学療法の影響と思われる一部変性・壊死した所見を腫瘍内に認めた.以上より,胃癌小腸転移部の穿孔の診断となり,原因としては化学療法による腫瘍壊死に伴う腸管壁の脆弱化が考えられた.
Ramucirumab投与中に胃癌小腸転移部に穿孔をきたした症例を経験したので,若干の文献的考察を加え報告する.
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