演題

当科における切除不能進行・再発胃癌に対する二次治療の成績

[演者] 福地 稔:1
[著者] 持木 彫人:1, 石畝 亨:1, 小倉 俊郎:1, 傍島 潤:1, 熊谷 洋一:1, 石橋 敬一郎:1, 石田 秀行:1
1:埼玉医科大学総合医療センター 消化管外科・一般外科

【目的】切除不能進行・再発胃癌に対する化学療法として2013年2月からナブパクリタキセル(NP)療法,2015年3月からパクリタキセル+ラムシルマブ(PR)療法が実地臨床において使用可能となり,PR療法は胃癌治療ガイドラインで二次治療の推奨度1となった.今回,当科におけるNP療法群とPR療法群の二次治療の成績を後方視的に検討した.【対象と方法】2013年9月から2016年11月までにNP療法(37例)とPR 療法(10例)を施行した切除不能進行・再発胃癌47例を対象として臨床病理学的因子,治療内容および生存期間を検討した.【結果】全体で年齢中央値64歳,男性/女性:35/12例,PS 0/1:35/12例,占居部位U/M/L:22/8/17例,組織型G1/2/3:6/15/26例,非治癒切除因子1/2/3個:31/14/2例,原発巣で切除/非切除:33/14例であった.二次治療の投与回数中央値は4回,相対用量強度(RDI)中央値は90%であり,Grade3以上の有害事象は18例(38%)に認めた.全体の無増悪生存期間(PFS)と生存期間(OS)の中央値はそれぞれ4.0か月と10か月であった.治療効果はCR/PR/SD/PD:4/7/18/18例であり,奏効率(ORR)は23.4%,病勢コントロール率(DCR)は61.7%であった.多変量解析でPFS延長に影響を与える因子として投与回数≥4(オッズ比: 0.31, 95%CI=0.15-0.61, P<0.01)が独立した因子として同定された.NP療法とPR療法の2群間で年齢,性別,PS,組織型,非治癒切除因子個数,原発巣切除の有無,投与回数中央値(5 vs.3回),RDI(90 vs.82%),ORR(24 vs.20%),DCR(59 vs.70%),Grade3以上の有害事象(32 vs.60%),PFS中央値(5 vs.3か月)およびOS中央値(10 vs.11か月)に対して有意差は認めなかった.特にPR療法で注視する有害事象として尿蛋白3+を2例,Grade3の消化管出血を1例認めた.【考察】①今回の検討から,切除不能進行・再発胃癌に対する二次治療としてNP療法とPR療法が継続可能な場合には投与回数(減量しながらも)を増やすことでPFSが延長する可能性が示唆された.②今後,実地臨床においてPR療法は二次治療として期待されるが,PR療法が導入困難な症例ではNP療法は選択可能なレジメンと考えられた.
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