演題

WS08-8

腹腔鏡下胆道手術における安全・確実な胆管空腸吻合手技

[演者] 佐原 八束:1
[著者] 永川 裕一:1, 細川 勇一:1, 瀧下 智恵:1, 中島 哲史:1, 土方 陽介:1, 刑部 弘哲:1, 粕谷 和彦:1, 勝又 健次:1, 土田 明彦:1
1:東京医科大学病院 消化器外科・小児外科

腹腔鏡下での胆管空腸吻合法は腹腔鏡下膵頭十二指腸切除(LPD)および腹腔鏡下総胆管拡張症手術(LCBD)の保険収載により今後普及していくものと思われる.しかし,特にLPDに伴う胆管空腸吻合はその対象疾患から,胆管拡張例は少なく正常胆管例が多いため,より安全・確実な方法が求められる.当科では助手と協調した術野展開による良好な視野のもとで定型化された手技を行っており,安定した術後成績を収めている.その手技のポイントと成績を報告する.【手術手技】前後壁ともに5-0吸収性モノフィラメントを用いて連続縫合にて行う.持針器は3mmの細径のものを用いており,運針の際に持針器自体が視野の妨げになることがあるので特に正常胆管において有用と考えている.1)空腸から運針:術者は患者の右に立ち,先に空腸に針をかけた後,胆管に針をかける.2)後壁縫合を4時から開始:後壁の運針を4時方向から開始し次の運針を容易にする. 3)予め3時,4時の2カ所で結紮: 4時で縫合・結紮した後,後壁の連続縫合行う前に前壁用の糸を3時にかけ結紮しておく.3時,4時の2カ所を予め結紮しておくことで後壁運針時に結紮部の裂傷を避ける.4)後壁運針時の術野展開:助手が肛門側の空腸を左腹側へ挙上することで空腸後壁,胆管後壁および胆管内腔の視野が良好に展開され,確実に運針が可能となる.5)無回転運動で運針:胆管裂傷を避けるため,胆管に針を通す際は,予め針先の方向性を合わせ,下から上へ直線的に運針する.後壁の縫合を左から右に向け10 時まで行う.前壁の縫合を左から右にかけて行い,最後に前壁と後壁の糸を結紮する.胆管径が細い場合は2mmのRTBDチューブをロストステントとして留置する.【成績】当科では本法により腹腔鏡下胆管空腸吻合を2016年12月までに59例施行してきた.内訳はLPDが51例,LCBDが7例,切除不能膵頭部腫瘍に対する姑息的胆管空腸吻合が1例であった.LPDおよびLCBD症例の総肝管径は中央値でそれぞれ7mm(4-25mm)および12mm(9-22mm)でLPD症例では有意に胆管径が細かった(p=0.009).合併症としては,導入初期に胆汁瘻1例(1.7%),吻合部狭窄1例(1.7%)を認めたが,吻合部狭窄例は内視鏡的バルーン拡張にて軽快した.【結語】良好な視野で施行できる本法により安全・確実に腹腔鏡下胆管空腸吻合を施行できる.
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