演題

当科における十二指腸乳頭部癌に対する外科切除の長期成績

[演者] 新毛 豪:1
[著者] 山田 大作:1, 江口 英利:1, 浅岡 忠史:1, 野田 剛広:1, 和田 浩志:1, 川本 弘一:1, 後藤 邦仁:1, 森 正樹:1, 土岐 祐一郎:1
1:大阪大学医学部附属病院 消化器外科

【はじめに】
十二指腸乳頭部癌は,我が国では胆道癌の一部として取扱い規約に記載されており,胆・膵領域腫瘍の中では比較的予後良好な腫瘍である.oddi括約筋への浸潤がない症例ではリンパ節転移がなく,T1症例に対する内視鏡的局所切除も考慮されているが,深達度に関する術前正診率が高くないことや合併症の問題から,その適応は慎重になるべきであり,標準治療は領域リンパ節郭清を伴う膵頭十二指腸切除である.予後に関与する因子としてリンパ節転移,膵浸潤の存在が挙げられている.
今回我々は,当院で十二指腸乳頭部癌に対して膵頭十二指腸切除を施行した症例の治療成績について検討し,リンパ節転移に関与する因子について検討したので報告する.
【対象・方法】
2006年7月から2015年9月における当院十二指腸乳頭部癌症例24例を対象として,臨床病理学的因子と再発・予後の長期成績についての検討,及びリンパ節転移との関連の検討を行った.
【結果】
症例は男性が14人と若干多く,平均年齢は68.8±8.0歳で,平均腫瘍最大径は20.2±9.9mmで,Tis 2例,T1 11例,T2 4例,T3 7例, T4 0例であり,リンパ節転移を6例に認めた.全例に膵頭十二指腸切除が施行されており,出血量は670±487.3ml,手術時間は486.2±91.6minであり,術後合併症は37.5%の症例に認めたが,周術期死亡例は認めなかった.リンパ節転移を認めた6例のうち3例には術後補助療法(GEMあるいはGEM・CDDP)を行った.
全体の長期成績は,1年・3年・5年無再発生存がそれぞれ77.8%・66.3%・66.3%であった.1年・3年・5年生存率はそれぞれ95.7%,74.8%,57.0%であったが,リンパ節転移陽性症例では80%,26.7%,0%と有意に予後が悪く,リンパ節転移陽性に関わる因子についてそれぞれ単変量解析・多変量解析を行ったところ病理学的脈管浸潤が独立したリスク因子であった.
【結語】
当院で切除した十二指腸乳頭部癌の治療成績について報告した.リンパ節転移陽性症例は予後が悪く,病理学的脈管浸潤が関与する因子と考えられた.
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