演題

十二指腸腫瘍性病変に対する膵温存十二指腸切除術の治療成績

[演者] 齋藤 晶:1
[著者] 小泉 大:1, 三木 厚:1, 遠藤 和洋:1, 笹沼 英紀:1, 佐久間 康成:1, 堀江 久永:1, 細谷 好則:1, 北山 丈二:1, 佐田 尚宏:1
1:自治医科大学附属病院 消化器外科

【背景】十二指腸の腫瘍性病変は,乳頭部癌,原発性十二指腸癌,Brunner腺由来癌(腺腫),消化管間質腫瘍,神経内分泌腫瘍などの頻度が高いが,良性から悪性まで様々な病変が存在する.これらの多彩な十二指腸腫瘍の多くは進行例であり,切除術式としては(幽門輪温存)膵頭十二指腸切除術((Pp)PD)が標準となる.近年内視鏡検査の進歩とスクリーニング検査の増加に伴い,十二指腸病変が発見される機会が増加し早期悪性病変も増えている.我々は内視鏡的切除が困難な低悪性度腫瘍性病変に対する縮小手術として膵温存十二指腸切除術(PSD)を積極的に行ってきた.PSDは部位により分類され,Ⅰ型:主乳頭・副乳頭を含む膵側十二指腸第2部を温存する術式(主乳頭口側を切除する場合はⅠa.肛門側を主に切除する場合はⅠb),Ⅱ型:主乳頭のみを残し十二指腸第2・3部を切除する術式.Ⅲ型:主乳頭を含め十二指腸第2・3部を切除する術式がある.【目的】十二指腸腫瘍に対するPSDの有用性を明らかにする.【方法】2006年4月から2016年8月までにPSDを施行した十二指腸腫瘍 24例(消化管間質腫瘍:15例,神経内分泌腫瘍:4例,十二指腸乳頭部腺腫:2例,十二指腸カルチノイド:3例)を対象に治療成績を検討した.【結果】平均年齢61歳(33歳~77歳),男性15例,女性9例,腫瘍占拠部位は球部:11例,下行脚:8例,水平脚:5例であった.PSDの術式分類は,Ⅰa:13例,Ⅰb:3例,Ⅱ:6例,Ⅲ:2例であった.術後合併症は全体で6例(25%),Clavien-Dindo(CD)分類では,GradeⅠ:1例(SSI),Ⅱ:2例(膵炎1例,胃内容排出遅延1例),Ⅲa:3例(膵液瘻:2例,胆汁漏1例),Ⅲb:3例(術後出血1例,腸閉塞1例,胆汁漏1例)であった.術式分類別にすると,Ⅰa:胆汁漏1例,術後出血1例,胃内容排出遅延1例,Ⅰb:膵液瘻1例,胆汁漏1例,膵炎1例,Ⅱ:膵液瘻1例,腸閉塞1例,SSI1例であった.
追加治療が必要だった症例は2例(再発に対する化学療法1例,2期的PpPD1例)であった.再発症例は消化管間質腫瘍の1例で,術後9カ月で肝転移再発し術後1年で原病死した.【まとめ】縮小手術としてPSDの長期成績は良好であるがCD分類III以上の合併症率の逓減が課題である.
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