演題

原発性十二指腸癌12切除例の臨床病理学的因子と術式の検討

[演者] 長瀬 博次:1
[著者] 広田 将司:1, 野口 幸蔵:1, 浜部 敦史:1, 谷田 司:1, 富丸 慶人:1, 川瀬 朋乃:1, 森田 俊治:1, 今村 博司:1, 堂野 恵三:1
1:市立豊中病院 外科

<背景>原発性十二指腸癌は全消化管癌の約0.3%と比較的稀な疾患である.そのため治療方針や術式について確立されていない.今回,当科で施行した原発性十二指腸癌の手術症例に対し,臨床病理学的検討を行ったため報告する.
<対象と方法>2005年8月から2016年7月までに当科で十二指腸癌と診断され手術施行された17例の内,根治切除可能であった12例を対象とした.乳頭部癌やその他鑑別困難な症例は除外した.臨床病理学的因子,術式,再発形式や生存率について解析した.
<結果>
年齢中央値は66歳(54-86歳),男性6例,女性6例であった.腫瘍占拠部位は球部;3例,下降脚;7例,水平脚;2例であり,腫瘍径中央値は3cm(1-6.5cm),肉眼型は0型;1例,1型;3例,2型;4例,3型;4例であった.術式は膵頭十二指腸切除術が10例,幽門側胃切除術が2例で施行された.組織型は分化型10例,未分化型2例,壁深達度はpTis;1例,pT1;3例,pT2;2例,pT3;2例,pT4;4例であり,T4症例の浸潤臓器は膵臓3例,横行結腸2例,胃1例であった.リンパ節転移はpN0;9例,pN1;2例,pN2;1例であり,転移部位はNo.12aに1例,No13aに2例,No13bに1例で認められた.pStage は,0;1例,I;5例,IIA;2例,IIB;3例,IIIB;1例であった(UICC第7版 小腸).術後合併症は胃排泄遅延2例,膵液漏2例,胆管空腸リークを1例に認めたが,いずれも保存的に軽快した.12例の観察期間中央値は26ヶ月(5-121ヶ月)で,原病死3例,他病死1例,生存中症例は8例であった.生存症例の8例の内,無再発生存症例は6例であり,他病死1例も5年以上無再発であった.再発した5例の再発部位は大動脈周囲リンパ節3例,肝臓2例,肺1例,腹膜播種1例であった.再発症例はいずれも化学療法が施行されていた(GEM療法2例,TS-1療法3例).Kaplan-Meier法による5年累積生存率は52%であった.
<考察>
根治切除可能な原発性十二指腸癌の5年生存率は25~71%であり,膵頭部領域癌の中では比較的予後良好とされている.当科での解析においても5年生存率52%であり同等の結果となった.リンパ節転移はNo13だけでなくNo12にも認められ,十二指腸乳頭部癌に準じた2群リンパ節廓清が必要であると考えられた.また再発部位がNo.16リンパ節で3例認めており,症例によっては大動脈周囲リンパ節郭清の必要性も示唆された.
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