演題

原発性十二指腸癌9例の臨床病理学的検討

[演者] 土持 有貴:1
[著者] 今村 直哉:1, 濱田 剛臣:1, 矢野 公一:1, 旭吉 雅秀:1, 藤井 義郎:1, 七島 篤志:1
1:宮崎大学附属病院 肝胆膵外科

【背景と目的】 原発性十二指腸癌は頻度の低い消化器癌ながら切除可能症例も増えつつある.しかしながら切除や郭清範囲については未だ確立されていない点が多い.当科での原発性十二指腸癌切除症例を後方視的に解析し,その特徴と問題点を検討した.【方法】 当科で2005年1月より2016年11月までに経験した十二指腸癌切除症例9例を対象とし,各種臨床病理学的因子を検討した.【結果】 初発症状は有症状例が5例(55%)(上腹部痛2例,黒色便2例,通過障害1例)で,一方検診異常が4例(45%)であった.性別は男性7例,女性2例で平均66.1歳(46歳~85歳)であった.肉眼型は2型腫瘍が5例(56%)と多く,癌占拠部位は十二指腸第Ⅰ部が1例,第Ⅱ部が5例,第Ⅲ部が2例,第Ⅳ部が1例で,Ⅰ~Ⅲ部にあった7例(78%)で膵頭十二指腸切除を,Ⅲ部・Ⅳ部にあった2例(22%)で十二指腸部分切除を行った.組織型は全例が中~高分化型腺癌であり,深達度はsm 1例,MP 1例,SS 3例,SE 1例,SI 3例であり,3例(33%)に膵浸潤を認めた.リンパ節転移は3例にあり,No.8,No.12,No14などの膵頭部領域癌の所属リンパ節の他,第Ⅳ部腫瘍では空腸間膜リンパ節への転移が認められた.術後補助化学療法は6例で行われ,うち5例は胃癌に準じTS-1単剤療法を選択した.再発症例は5例(肝転移2例,腹膜播種再発2例,肺転移,尿管転移1例)に認め,再発時の化学療法は,TS-1+GEM療法が1例,TS-1+CDDP療法が2例,CPT-11+CDDP療法が1例,FOLFOX・FOLFIRI療法が1例で行われた.膵浸潤を認めた3例はいずれも3年以内に死亡しており予後不良の傾向があったが,その他6例は現在も生存中である.しかしながら5年間の無再発生存例は十二指腸第Ⅱ部癌で深達度smのリンパ節転移のない1症例のみであった.【結論】 自験例の検討からは,十分なリンパ節郭清を伴うR0切除と補助化学療法を行ったにも関わらず再発を防ぐことは困難であり,生存期間延長へ寄与する新たなレジメの確立が望まれる.現状では,膵浸潤を伴わない十二指腸癌は積極的外科手術の適応と考える.
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