演題

ソーセージの包装フィルムの誤飲による十二指腸穿孔の1例

[演者] 小森 充嗣:1
[著者] 村瀬 佑介:1, 篠田 智仁:1, 深田 真宏:1, 佐藤 悠太:1, 仁田 豊生:1, 田中 千弘:1, 長尾 成敏:1, 河合 雅彦:1, 國枝 克行:1
1:岐阜県総合医療センター 外科・消化器外科

【はじめに】
異物誤飲をきたしたとしても,多くの場合は自然排泄されることが多いとされている.内視鏡手技の向上に伴い可能な場合は内視鏡による摘出がなされることもある.消化管穿孔などをきたし緊急手術に至る症例はそれほど多くなく,また十二指腸での穿孔例は全消化管の中では比較的稀とされている.
【症例】
78歳,女性.生来健康であったが,当院救急外来受診5日前より腹痛を自覚し,近医にて鎮痛剤の処方を受けていた.しかし,腹痛は増悪し当院を受診された.受診時の身体所見は,自発痛はあるものの,筋性防御,発熱は認めなかった.採血ではCRP29と異常高値を示し,CTではトライツ靭帯付近に膿瘍形成を認め,十二指腸上行部付近の消化管穿孔を疑い当科入院となった.入院後は絶飲食,抗生剤にて保存的加療を開始したが,炎症所見の改善認めず,入院3日目に手術を行うことになった.開腹すると,術前CTの如くトライツ靭帯付近の空腸・横行結腸間膜内から同間膜間に膿瘍形成を認めた.トライツ靭帯を空腸側から開放し穿孔部を確認すると下十二指腸角対側に3mm程度の穿孔部と同部から硬化した魚肉ソーセージの包装フィルムが確認された.穿孔部付近の腸管の状態は,炎症による浮腫で極めて脆弱であり,単純縫合閉鎖では縫合不全リスクが高いと判断し切除することとした.比較的状態の良い部分を選択すると口側切離部はSMA左側となり,同部での空腸との吻合は困難と判断し,十二指腸断端は閉鎖したうえで結腸後での十二指腸下行脚・空腸側々吻合を行った.術後は,十二指腸穿孔部付近にドレナージで対応不能な遺残膿瘍を認めたが抗生剤の投与にて加療し,術後34日目に無事に退院となった.
【結語】
PTP,義歯,魚骨の誤飲による消化管穿孔の報告は比較的散見されるが,我々は魚肉ソーセージの包装フィルムの誤飲による稀な十二指腸穿孔を経験した.通常やわらかい包装フィルムが消化管内で硬化し,鋭的物質となり穿孔を引き起こしたと考えられた.
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