演題

前庭部追加切除を伴う腹腔鏡下ロングスリーブ状胃切除術の短期成績

[演者] 中田 亮輔:1
[著者] 池田 哲夫:1, 長尾 吉泰:1, 小幡 聡:1, 宗崎 良太:1, 寺田 英李子:2, 野村 政壽:2, 赤星 朋比古:1, 富川 盛雅:1, 橋爪 誠:1
1:九州大学病院 先端医工学診療部, 2:九州大学大学院医学研究院 病態制御内科学

【背景】2014年4月より病的肥満症に対する腹腔鏡下スリーブ状胃切除術(LSG)が保険収載された.術式の定型化に向けた議論がなされているが,胃前庭部切除の有無に関する統一された見解は示されていない.
【目的】前庭部切除を行わないLaparoscopic vertical sleeve gastrostomy (LVSG)施行症例と前庭部切除を追加するLaparoscopic long-sleeve gastrostomy (LLSG)施行症例の術後成績を比較し,LSGにおける前庭部切除の体重減少や耐糖能改善に関する有効性について検討した.
【対象】当施設にて2012年3月から2015年3月までに施行した従来のLVSG群:40例と2015年4月から2016年12月までに施行したロングスリーブ状胃切除術(LLSG)群62例を対象とした.
【術式の工夫】穹窿部を確実に切除するため,大弯側に2点支持糸をかけ腹壁側(上方)へ牽引する.小弯側が背側そして大弯側が腹側になるように立たせた状態を維持することで,噴門周囲の視野が確保され,胃-食道接合部までの剥離が容易となる.胃を立たせたまま,胃角部を長径とした円を描くように自動縫合器で大弯側を噴門直下まで切離する.その後,LLSGでは前庭部切除を追加するため幽門輪口側1-2cmまで切離する.縫合線は EndoQuick Suture (2-0 ELmelt©︎)で25~30針結節縫合し縫合線の減張補強および胃の縫縮を行う.
【結果】術式の工夫により,術後早期における逆流性食道炎(56.1% vs 4.8%),残胃の狭窄,穹窿部の遺残および幽門部での停滞(5% vs 0%)が減少し,術後透視においても胃,十二指腸の通過時間の短縮を認めた.術後6ヶ月目における超過体重減少率(42.7% vs 54.5%)はLLSGに有意な体重減少効果を認めた.術前の空腹時血糖(140.0 vs 132.9), HbA1c (7.0 vs 6.9)は有意差を認めなかったが,術後6ヶ月目の空腹時血糖(120.1 vs 106.5), HbA1c (6.2 vs 5.7)は両項目においてLLSGでの低値が有意差をもって示された.
【まとめ】従来のLVSGと比較して,LLSGによる体重減少,耐糖能における治療効果および患者コンプライアンス改善の優位性が示唆された.
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