演題

腹腔鏡下袖状胃切除術の2型糖尿病に対する治療成績

[演者] 大竹 玲子:1
[著者] 山口 剛:1, 山本 寛:2, 貝田 佐知子:1, 竹林 克士:1, 村田 聡:1, 三宅 亨:1, 清水 智治:1, 仲 成幸:1, 谷 眞至:1
1:滋賀医科大学附属病院 消化器外科, 2:草津総合病院 一般・消化器外科・内視鏡科

【背景】肥満外科手術は世界では年間60万件施行され,本邦でも手術件数及び手術施行施設が増加傾向にある.2型糖尿病に対する治療効果も証明され,米国糖尿病学会のガイドラインでは標準治療が無効の2型糖尿病患者に外科治療が推奨されており,本邦でも糖尿病治療の選択肢として外科手術をガイドラインに盛り込むべきと提唱されつつある.今回我々は2008年より2016年11月までに当院で施行した腹腔鏡下袖状胃切除手術(以下,LSG)43例の2型糖尿病に対する治療成績を検討した.
【対象と方法】当院で施行したLSG 43例のうち2型糖尿病に罹患していたのは27例,その中で術後1年以上経過しフォローできた19例について,寛解率,術前インスリン量,インスリンOFF率,OFF時期,糖尿病再発率について検討した.糖尿病寛解の定義は,American Diabetes Associationの定義に従い,術後1年以上2型糖尿病に対する薬物治療がない状態で,HbA1c<6.0%,空腹時血糖(FBS)<100mg/dlを満たすものをComplete Remission (CR),HbA1c<6.5%,100<=FBS<=125mg/dlを満たすものをPartial Remission (PR)とした.さらに,今回は患者のQOLと強く関連するインスリン中止率に着目した.
【成績】2型糖尿病に罹患し術後1年以上フォローできた19例の平均年齢は 44.3±11.4歳,男性8例,女性11例,初診時BMI 39.4±4.6 kg/m2であった.19例中,糖尿病寛解率は57.9%(11例; CR5例, PR6例)であった.インスリン使用は19例中9例(47.4%)に認め,外科初診時のインスリン投与量は平均40単位であった.9例中糖尿病寛解となったのは3例(33.3%)であったが,寛解とならなかった症例も含め7例(77.8%)が術後にインスリンをOFFできていた. OFF時期は最短で術直後,最長で術後22日目で,平均術後8日目であった.術後一旦糖尿病寛解となったが再発を認めたのはインスリン投与のなかった1例(再発率8.3%)であった.
【結語】当院におけるLSG後の糖尿病寛解率は良好であり,また寛解には至らずともインスリン離脱を可能にすることで患者QOLに寄与していると考えられた.
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