演題

当院における大腸ステント50例の検討-ステント導入前症例との比較-

[演者] 北林 宏之:1
[著者] 山﨑 一馬:1, 足立 武則:1, 児玉 多曜:1, 鹿島 康薫:1, 近藤 悟:1, 吉田 淳:1, 塩澤 幹雄:1, 高橋 雅一:1, 荒川 尚士:1
1:とちぎメディカルセンターしもつが 外科

【はじめに】当院では2013年より大腸癌による狭窄に対して大腸ステントを導入し,穿孔症例以外は緊急手術ではなく大腸ステントの適応としている.当院における緩和治療目的,または待機手術のための大腸癌の狭窄解除(Bridge to Surgery)目的の大腸ステント症例について,大腸ステント導入前の症例と比較しつつ検討した.【対象】当院で2013年8月から2016年10月までに緩和治療目的に大腸ステントを留置した13例とBridge to Surgery目的に大腸ステントを留置した37例の合計50例と,大腸ステント導入前の大腸癌狭窄症例10例.【結果】大腸ステント症例の平均年齢は73.2歳,男女比30:20,部位はA/T/D/S/R:6/3/6/19/16,ステント直径は1例を除いてすべて22mm,ステント長は60mm/80mm/90mm/100mm:11/23/10/6,ステント穿孔による緊急手術を要した症例は認めず,Bridge to Surgery群のステント留置から手術までの平均期間は26.3日,術前の口側検索は注腸/CS/なし:26/9/2,開腹手術/腹腔鏡手術:21/16,人工肛門なし/あり:33/4,術後合併症は縫合不全/腸閉塞/吻合部狭窄/吻合部出血:4/3/1/1であった.一方,大腸ステント導入前症例の平均年齢は74.9歳,男女比6:4,部位はA/T/D/S/R:0/1/1/4/4,初回治療は経肛門イレウス管/経鼻イレウス管/緊急手術:5/2/3,すべて開腹手術,人工肛門なし/あり:4/6,術後合併症は呼吸不全が2例(いずれも緊急手術症例ではなく経肛門イレウス管1例と経鼻イレウス管1例)であった.【考察】大腸ステント症例のBridge to Surgery群では減圧効果が良好で多くの症例で人工肛門を回避することができ,また全身状態の改善により術後呼吸不全を避けることができたと考えられた.また,ステント穿孔による緊急手術を要した症例は認めず,Bridge to Surgery群のみならず緩和治療群にとっても大腸ステントは有効な治療手段であると考えられた.
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