演題

当院における悪性大腸狭窄に対する大腸ステント治療の検討

[演者] 中原 修:1
[著者] 藤村 美憲:1, 大島 茂樹:1, 馬場 秀夫:2
1:球磨郡公立多良木病院 外科, 2:熊本大学附属病院 消化器外科

【目的】2012年1月より本邦でも大腸ステントが保険適応となり,術前腸管減圧Bridge to Surgery(BTS)目的もしくは緩和治療目的に留置が行われている.当院で施行した大腸ステント留置術の経験からその有効性と安全性について検討した.
【対象】2012年3月から2016年12月までの期間で悪性大腸狭窄に対して大腸ステント留置術を行った10例について検討を行った.
【結果】年齢は56~100歳(平均年齢76歳)で,男性6例,女性4例.腫瘍占拠部位は上行結腸2例,横行結腸1例,下行結腸3例,S状結腸1例,直腸3例であった.ステント留置目的はBTSが2例,緩和治療目的が8例であった.使用ステントはBoston Scientific社製WallFlex™ Colonic Stent2例,Century Medical社製Niti-S大腸用ステント8例であった.平均処置時間は30.8分(6~63分)で術中合併症は認めなかった.大腸ステント挿入時のCROSS: ColoRectal Obstruction Scoring System(大腸閉塞スコア)は0が5例,1が1例,3が3例,4が1例であり,挿入後は3が1例,4が9例と改善を認めた.BTS症例において大腸ステント挿入から外科手術までの期間は18日であり,通常どおりの術前検査を行うことができた.緩和治療目的留置症例において平均開存期間は184日(57-370)であった.1例(直腸留置例)においてステント閉塞を認め再留置をおこなったが,他7例においては生存期間中にステント閉塞は来さず生活の質を保つことができた.ステント留置時及び早期における合併症は認めなかった.1例において晩期にステント逸脱を認めたが,保存的加療にて軽快した.
【結語】閉塞性大腸癌に対する大腸ステント留置は比較的簡便で安全な手技であり,BTSにおいては術前の良好な腸管減圧が得られ一期的な切除が可能であった.また緩和においても同様の減圧効果にて安寧な終末期生活へ寄与し有効な治療法であると思われた.
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