演題

閉塞性大腸癌に対するステント留置の有用性

[演者] 前原 律子:1
[著者] 角 泰雄:1, 長谷川 寛:1, 金治 新悟:1, 山下 公大:1, 松田 武:1, 押切 太郎:1, 中村 哲:1, 鈴木 知志:1, 掛地 吉弘:1
1:神戸大学大学院 食道胃腸外科学

【目的】閉塞性大腸癌に対するステント(self-expanding metallic stent: SEMS)留置の有用性を明らかにする.
【対象と方法】2010年1月から2016年11月に閉塞性大腸癌と診断され減圧後に手術を施行した39例.経鼻的または経肛門的イレウスチューブを用いた群(チューブ群)22例,大腸ステントを用いた群(ステント群)17例の短期治療成績を後ろ向きに比較検討した.
【結果】年齢・性別・閉塞部位といった患者背景,および深達度や腫瘍径などの腫瘍因子については両群間に有意差を認めなかった.ステント群では15例(88.2%)で口側腸管の評価が術前に行われた.またステント群では全例で術前の経口摂取を行うことができた.減圧中の合併症では,ステント群ではステント留置による消化管穿孔や腹腔内膿瘍は見られなかった.チューブ群では1例にチューブ留置による潰瘍形成が見られた.手術については,ステント群で腹腔鏡下手術が選択される頻度はチューブ群と比較し有意に高かった(P=0.01).手術時間,郭清リンパ節の個数について,両群間に有意差を認めなかった.吻合については,ステント群では全症例で,チューブ群では18例(81.8%)で一期的吻合が行われたが,有意差は認めなかった.術後の初回排ガス日や食事開始までの日数には有意差を認めなかった.術後在院日数はステント群で有意に短かった(P=0.056).術後合併症の頻度については両群間に有意差を認めなかった.
【結論】大腸ステントによる減圧は,閉塞部が拡張されることにより術前に経口摂取および口側腸管の評価が可能となる.また良好な減圧を得ることで,待機的な腹腔鏡手術を選択でき有用である.
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