演題

ステント留置後Bevacizumab併用化学療法中に発症したStage IV大腸癌穿孔の2例

[演者] 関野 康:1
[著者] 竹腰 大也:1, 古田 浩之:1, 岡田 正夫:1, 松村 美穂:1, 林原 香織:1, 佐近 雅宏:1, 高田 学:1, 関 仁誌:1, 宗像 康博:1
1:長野市民病院 外科

【緒言】近年,根治切除不能進行大腸癌による悪性狭窄に対するステント留置の有効性が報告されており,2012年には保険収載された.ステント留置症例は増加しており,留置後の化学療法施行症例も増加していると考えられる.ステント留置碁化学療法中の穿孔症例の報告も散見される.ステント留置後Bevacizumab(以下B-mab)併用化学療法中に大腸穿孔をきたした2症例を報告する.【症例1】76歳男性,腹部膨満の精査でS状結腸癌と診断された.漿膜外浸潤,腹膜播種および肝両葉に多発する肝転移で根治切除不能と診断した.腸管の通過障害に対して金属ステントを留置した.mFOLFOX6療法を導入し,2サイクル目よりB-mabを併用した.3サイクルDay4に大腸穿孔を発症し,同日ハルトマン手術を施行した.ステント留置された腫瘍部に穿孔部を認めた.第37病日に退院し,第40病日から化学療法再開となった.術後1年3か月経過し,外来で2nd line 化学療法を施行中である.【症例2】73歳女性,便秘および腹痛精査で根治切除不能横行結腸癌と診断された.右側横行結腸に全周性の壁肥厚を認め,肝外側区域に単発の肝転移,SMAおよびSMVを全周性にリンパ節転移が取り囲んでおりSMVは閉塞していた.腸管狭窄に対して金属ステントを留置した.mFOLFOX6療法を導入し,3サイクルよりB-mabを併用した.6サイクルDay13に大腸穿孔を発症し,同日右半結腸切除術を施行した.腫瘍とは離れた口側上行結腸に穿孔を認めた.ステント留置された腫瘍部の内腔は確保されていたが,口側腸管は拡張していた.術後縫合不全なく第25病日に退院となった.第80病日から化学療法再開し,術後6か月の時点で2nd line 化学療法を施行中である.【考察】当院においてステント留置後に化学療法を施行した症例は5例あり,B-mabを併用した症例はこの2症例のみであった.悪性狭窄に対する腸管ステント留置およびB-mabはそれぞれの偶発症として大腸穿孔が報告されており,これらの併用で腸管穿孔の危険性を増大させる可能性がある.ステント留置後の化学療法の際には穿孔の危険性を十分に考慮して行うべきであり,B-mabの使用は避けるべきと思われる.
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