演題

閉塞性大腸癌に対する大腸ステント留置前後の栄養アセスメント:プレアルブミンの有用性について

[演者] 佐々木 大祐:1
[著者] 四万村 司:1, 森 修三:1, 浜辺 太郎:1, 三原 良孝:1, 石井 将光:1, 末谷 敬吾:2, 石郷岡 晋也:2, 朝倉 武士:1, 大坪 毅人:3
1:川崎市立多摩病院 消化器・一般外科, 2:川崎市立多摩病院 消化器・肝臓内科, 3:聖マリアンナ医科大学病院 消化器・一般外科

【はじめに】閉塞性大腸癌に対する緊急手術回避目的に大腸ステント(Self-Expandable Metallic Stent: SEMS)留置があり,近年,諸家の報告で緊急手術群に比較し,その短期的な有用性が多く報告されている.患者QOLの面ではSEMS留置により,早期に,通常に近い形での経口摂取が再開可能となる.そのため緊急手術群やその他の減圧群に比較し栄養状態がより早期に改善する事が予想される.当院での閉塞性大腸癌に対するSEMS留置Bridge to Surgery(BTS)症例において栄養状態の改善効果を検討した.【対象・方法】当院における2012年1月~2016年8月までの閉塞性大腸癌に対するSEMS留置34症例(35病変)においてSEMS留置前後の栄養状態の推移を検討した.栄養状態の指標としてPrognostic Nutritional Index (PNI)とプレアルブミンを評価した.【結果】年齢中央値は69歳(36-92歳).男性24例,女性10例.1症例で2病変に対してSEMS留置を施行している.16症例で一時的に経肛門的イレウス管留置を行なった.全症例が手技的に大腸狭窄解除に成功したが,1例が再閉塞した.SEMS留置期間は19日(9-36日)であり,SEMS留置に伴う穿孔は認めなかった.いずれの症例でも大腸ステント安全手技研究会が提唱する大腸閉塞スコア (ColoRectal Obstruction Scoring System: CROSS)は改善した.初診時と手術直前にPNIおよびプレアルブミンを評価し得たのは19症例であった.その内,PNIは46.7(29.7-60.7)→44.0(31.1-50.6)と推移し数値の上昇は認めなかったが,プレアルブミンは13.7(5.9-31.3)→16.4(7.8-27.2)と上昇していた(p=0.056).SEMS留置前後での採血間隔は18日(7-33日)であった.術後合併症として縫合不全2症例,イレウス3症例,リンパ漏2症例,肺炎1症例,SSI1症例を認めた.縫合不全はいずれも再手術を要した.縫合不全を要した1例は手術直前のプレアルブミンが低値であった.【結語】閉塞性大腸癌に対しSEMS留置により,栄養状態が改善する事が示唆された.諸家の報告ではSEMS留置前後でPNIが上昇しないとされているが,閉塞性大腸癌に対するSEMS留置BTS症例において栄養状態の評価にはプレアルブミンが有用であると思われた.
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