演題

大腸ステント留置後に手術を行った閉塞性大腸癌症例の口側病変の検討

[演者] 赤井 正明:1
[著者] 岩川 和秀:1, 磯田 健太:1, 濱野 亮輔:1, 徳永 尚之:1, 宮宗 秀明:1, 常光 洋輔:1, 大塚 眞哉:1, 稲垣 優:1, 岩垣 博巳:1
1:福山医療センター 外科

【目的】
閉塞性大腸癌に対する術前大腸ステント治療(Bridge to Surgery: BTS)は,腸管減圧療法として有用であるだけでなく,術前の口側腸管の内視鏡観察も可能となる.「大腸ステント安全留置のミニガイドライン」でも,同時性大腸癌の合併も念頭に置き,口側病変を検索する必要があると述べられているが,その必要性や安全性については確立されたものはない.今回我々は,当院で行われたBTS症例の口側病変について検討を行ったので,報告する.
【方法】
2013年2月から2016年11月まで,当院で行われたBTS症例は57例で,高齢,StageⅣ,全身状態の悪化などを理由に口側病変の精査を行えなかった症例を除く,35例について,臨床病理学的に検討を行った.
【成績】
対象症例の35例のうち,男性18例女性17例であり,平均年齢は68.2歳で,平均腫瘍径は6.1cmであった.腫瘍の局在は,上行結腸:7例,横行結腸:2例,下行結腸:4例,S状結腸:18例,直腸:4例であった.使用したステントは,WallFlex Colonic Stentが20例,Niti-S大腸用ステントが15例であり,全て径22mmのものであった.全症例で口側結腸に病変を認めたのは,12例(34.2%;腺腫:8例,過形成性ポリープ:3例,SSA/P:1例)であり,悪性を疑う病変や粗大病変は無かった.腫瘍の局在が上行結腸にある7例を除いた28例のうち,術前に口側病変の検査を行ったのは10例で,4例に注腸造影,6例に内視鏡が行われており,全例で全大腸観察が可能であった.内視鏡施行時期は,閉塞前に観察可能であった1例を除くと,平均でステント挿入後から22.8日であった.術前検査による穿孔,出血,migrationなどの合併症を起こした症例は無かった.術前検査で,病変を発見できたのは4例で,術前治療を必要とする症例は認めなかった.
【結論】
閉塞性大腸癌症例は,その緊急性から口側病変の精査が行えない症例が多いが,口側病変は3割程度存在していた.大腸ステントを用いることで,比較的安全に術前に口側病変の検査を行えると思われた.
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