演題

PPH術後全周性直腸粘膜脱に対してACL法を施行した1例~肛門手術におけるACL法の応用について~

[演者] 白畑 敦:1
[著者] 岡本 成亮:1, 金 龍学:1, 筋師 健:1, 木村 都旭:1, 早稲田 正博:1, 鈴木 哲太郎:1, 高坂 佳宏:1, 松本 匡史:1, 石田 康男:1
1:横浜旭中央総合病院 外科

Anal Cushion Lifting法(ACL法)は皮膚切開創からanal cushionと内肛門括約筋との間の層を剥離し,痔核,肛門上皮,cushonをつり上げ固定する事により痔核を治癒させる新しい手術療法である.内痔核に対する本法は術後の疼痛が少ない利点があり術後短期・長期成績は良好と報告されている.今回PPH術後全周性直腸粘膜脱に対してACL法を施行した症例を報告する.
症例は68歳女性.2013年1月に脱出性内痔核の診断にてPPH手術施行.術直後から直腸粘膜脱を認めたが経過観察としていた.2015年下旬より出血や粘液付着を認めるようになり当院を受診した.PPH術後の全周性直腸粘膜脱と診断し手術の方針とした.手術は仙骨硬膜外麻酔下,腹臥位にて手術施行.皮膚切開を6か所おき全周性にcushionを剥離,本来あるべき自然な位置に還納し内括約筋に縫合固定した.術後経過は良好で症状は消失している.
当院での痔核に対する標準術式は結紮切除(+ALTA硬化療法)としている.ACL法は粘膜切除しないため術後狭窄は無く,術後疼痛が少なく,コスメティックにも優れる素晴らしい手術である.現在,当院ではACL法のこれらの長所を生かし切除デザインの困難な全周性の高度な痔核や直腸粘膜脱,3個所の切除が必要な症例の1か所を狭窄予防目的で適応として積極的に行っている.ACL法を導入し従来手術の難しいとされた肛門疾患症例が簡便・低侵襲となった.今後,ACL法の症例の集積により新しい痔核治療としての可能性を探りたいと考える.
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