演題

消化器癌腹膜播種切除症例の検討 今後の展望

[演者] 佐藤 貴弘:1
[著者] 茂内 康友:1, 丸山 弘:2, 牧野 浩司:2, 吉田 寛:2
1:府中恵仁会病院 消化器センター 外科, 2:日本医科大学多摩永山病院 消化器外科・乳腺外科・一般外科

【はじめに】消化器癌腹膜播種の治療は抗がん剤の効果の向上により変化しつつあるものの,その治療には難渋することが少なくない.今回,消化器癌腹膜播種切除例について検討した.
【対象と方法】消化器癌腹膜播種切除17例.原発部位は大腸癌15例・小腸癌1例・胃癌1例.M/F=10/7, 年齢42-83歳(中央値63).予後,術後経過,合併症管理等について評価した.
【結果】術後Follow-up periodは40-2154日(中央値1015).R0手術12例,R1手術2例,R2手術3例であった.腫瘍減量効果は良好であった.PCIは2-26(中央値4).一時的人工肛門造設を4例に施行し,2例に閉鎖可能であった.3例が緊急手術であった.組織型はtub1/ tub2/ por1/ muc=6/9/1/1.手術時間は50-396(中央値262)分,術中出血量25-9022(中央値266)gであった.いずれも30日以内死亡は認められなかった.予後についてはR0手術例で術後半年間経口抗がん剤内服のみで5年以上無再発生存している症例を1例,化学療法でCRとなり5年後に他病死した1例を認めた.また,2例で初回に一時的人工肛門造設後にNeoadjuvant chemotherapyののちに原発巣切除施行した.腫瘍の再燃・再発により,4例が尿路障害となり,膀胱ろう造設1例,尿管ステント3例に施行し,そのうち2例は化学療法継続可能であった.4例が腸閉塞となり,再切除1例,試験開腹1例で,再手術は腫瘍と癒着のため難しかった.分子標的薬において,VEGF阻害剤やEGFR阻害剤を組み込んで化学療法効果は向上した一方で,1例でVEGF阻害剤投与中に腸閉塞が発症し,再手術に躊躇し難渋した.
【結語】消化器癌腹膜播種に対してはR0切除がのぞましいが,術後合併症管理や再手術が必要となる場合があり,注意を要する.また,IInd look surgeryを導入していくことが予後向上に貢献すると思われる.
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