演題

局所再発直腸癌に対する外科的切除の取り組み

[演者] 相場 利貞:1
[著者] 上原 圭介:1, 向井 俊貴:1, 冨田 明宏:1, 江畑 智希:1, 横山 幸浩:1, 伊神 剛:1, 菅原 元:1, 深谷 昌秀:1, 梛野 正人:1
1:名古屋大学大学院 腫瘍外科学

【背景全直腸間膜切除(TME)の概念の提唱により,直腸癌の局所コントロールは格段に向上したが,それでも本邦における直腸癌根治術後の局所再発率は8.8%と未だ満足の得られる成績ではない.現在,局所再発直腸癌(LRRC)に対する根治療法となり得るのは外科的完全切除のみであり,当教室では積極的に外科的切除を行っている.当科におけるLRRCに対する手術成績を検討する.
【対象・方法2006年8月から2016年10月に,当科で根治切除目的に手術を施行したLRRC症例68例中,非切除となった2例を除く66例について,retrospectiveに検討した.
【結果年齢の中央値は63(33-79)歳で,男女比は53:13,観察期間の中央値は37ヶ月であった.43例(65.2%)では骨性骨盤壁合併切除を要し,仙骨合併切除が39例(骨盤内臓全摘術33例,後方骨盤内臓全摘術2例,直腸切断術2例,Hartmann手術1例,腫瘍切除1例),恥坐骨合併切除が4例であった.同時性肝転移を9例,同時性肺転移を2例で認めたが,全例で同時または二期的にR0切除を施行した.49例(74.2%)でR0切除が達成できたが,17例がR1切除となった.手術時間および出血量の中央値はそれぞれ834(77-1552)分,2041(25-8673)mlであった.Clavien-Dindo分類のGrade 3b以上の術後合併症を5例(7.6%)に認め,うち4例は小腸穿孔による再手術症例,1例は開腹ドレナージを要する腹腔内膿瘍であったが,在院死亡は認めなかった.骨盤死腔炎は17例(25.8%)に認めた.術後在院期間の中央値は33(8-225)日であった.41例(62.1%)で術後再発を認め,局所再々発が21例(31.8%),肺転移が18例(27.3%)と頻度が高かった(重複例あり).全症例における3年生存率は79.8%,3年無再発生存率は56.0%であった.3年局所無再発生存率はR0切除例で69.1%と,R1切除例の27.2%と比較して有意に良好であった(p=0.003).
【結論LRRCに対する外科的切除によってR0切除を達成すれば良好な予後および局所制御を期待しうる.
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