演題

手術と術後放射線治療を組み合わせた集学的治療が施行された直腸癌局所再発・再々発症例の検討

[演者] 高野 祥直:1
[著者] 寺西 寧:1, 外舘 幸敏:1, 阿左見 亜矢佳:1, 多田 武志:1, 藁谷 暢:1, 本多 通孝:1, 鈴木 伸康:1, 佐藤 直:1, 阿部 幹:1
1:脳神経疾患研究所附属総合南東北病院 外科

【はじめに】当院では2011年11月より直腸癌術後局所再発・再々発症例に対して手術と陽子線を含む放射線治療併用の集学的治療を行っている.【対象および方法】対象は2011年3月から2016年9月まで直腸癌局所再発または再々発と診断され当院で手術+放射線治療(RT)が施行された17例.臨床的背景因子,原発巣切除から再発までの期間,治療内容,局所制御期間,予後について検討した.【結果】症例は17例(男性11例,女性6例)で,36~75歳(中央値56歳),初回手術は低位前方切除(LAR)が9例,腹会陰式直腸切断術(APR) が5例,ハルトマン手術(HAR)が3例,切除施設は当院が6例,他院11例.再発形式は局所7例,仙骨浸潤7例,側方浸潤3例で,再発までの期間は6か月から55か月(中央値20か月),同時性転移は3例に肺転移,1例に肝転移を認めた.再々発以上の症例は3例で,手術3例(APR2例,リンパ節摘出1例).再発に対する初回治療は化学療法単独が5例,化学放射線治療(CRT)が4例,手術+RTを最初から施行したのは4例.手術は術後RTによる小腸障害を防ぐため,照射野にスペーサーとして大網充填を行う事を基本手技とした.大網充填以外の術式は骨盤内臓全摘(TPE)3例,APR4例,再発巣切除5例,再発巣切除+肝切除1例,人工肛門造設1例,再発巣非切除3例.切除例の切離面の病理学的検索でRM0となったのは再発形式が局所だった3例(再発巣切除2例,APR1例)で,他の10例はRM1であった.術後RT:12例に陽子線治療(66~77GyE),5例にIMRT(45から74Gy)が施行された.何らかの化学療法も併用した.【骨盤内局所制御】再発巣切除を施行しなかった4例中陽子線治療を受けた3例は11から18か月でPDとなり,人工肛門のみを造設し放射線治療を行った1例は4か月でPDとなった.原発巣を切除された11例(観察期間6-48か月,中央値14か月)ではRM0, RM1にかかわらず局所制御は良好で,PDとなったのはRM0の1例のみであった.【予後】死亡例は7例で死因は肝転移2例,肺転移5例.生存例10例中3例は肺転移を認める担癌生存者である.【結語】直腸癌局所再発における手術と術後放射線治療の併用療法は,R1でもよいから腫瘍量を減量する手術と大網などで放射線治療を行えるスペースを作る事でQOLの良い治療が施行できる可能性が示唆される.局所制御に関しては有効であるが,遠隔再発,特に肺転移をどのようにコントロールできるのかが今後の課題と考えられる.
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