演題

当科における直腸癌に対する骨盤内臓器全摘術の成績

[演者] 竹本 健一:1
[著者] 山口 茂樹:1, 清水 浩紀:1, 鈴木 麻未:1, 原 聖佳:1, 近藤 宏佳:1, 田代 浄:1, 石井 利昌:1, 櫻本 信一:1, 小山 勇:1
1:埼玉医科大学国際医療センター 消化器外科

【目的】局所進行・再発直腸癌に対する骨盤内臓器全摘術(TPE)は,適応が限られ報告も少ない.当科における直腸癌症例に対するTPEの成績を検討した.
【方法】2007年4月から2016年12月までに当科で初発直腸癌に対する直腸切除術を1288例,再発に対する腫瘍切除術を62例に施行した.このうちTPEは16例,前方/後方TPEは各10/5例であった.今回,TPE 16例につき臨床病理学的因子,手術成績,術後成績を含め検討した.
【結果】16例の詳細は,年齢61.9 (48-76)才,男性/女性:15/1名,BMI 20.0 (16.8-30.3)kg/m2,腫瘍最大径は7.8±2.3cm.初発は11例(初発直腸癌手術の0.9%)で,主占居部位はRS/Ra/Rb/P:2/2/6/1例.再発は5例(再発に対する腫瘍切除の8.1%)で初回手術はAPR 3例,ISR 1例,LAR 1例.術前化学放射線療法は初発の1例に,再発例には化学療法が3例,うち2例に放射線療法が施行されていた.初発例の術前・術中診断では他臓器浸潤は膀胱(U)5例,前立腺(P)1例,U+Pは2例,P+尿道括約筋+肛門挙筋1例,U+P+尿道+右内閉鎖筋1例であったが,病理学的には4例(40%)で他臓器浸潤を認めなかった.fStageは2/3a/3b/4:6/1/2/2例.再発例の腫瘍部位はPが4例,U+膣が1例.
手術アプローチは開腹13例(開腹移行1例),HALSは3例.手術時間7.8(5.5-11.2)時間,出血量924.5(85-19250)ml,術中の赤血球輸血は3 (0-74)単位が施行されていた.
仙骨合併切除は5例,R0切除は12例(75%).再発の1例で出血制御が困難で2期的に腫瘍切除術を施行された.術後合併症は11例(69%)に認め,Clavien-Dindo分類GradeⅢ以上は4例(25%);ストマ壊死及び心筋梗塞が1例,脳出血1例,出血性ショックが1例.残り1例はTPEと同時に回盲部切除術が施行され,縫合不全・骨盤死腔炎から術後在院死となった.在院死1例を除く術後在院日数は20 (11-114)日.初発例の5年全生存率は58.9%.
【結語】当院における直腸癌に対する骨盤内臓器全摘術には術後在院死亡や術中大量出血の症例を認めた.一方で長期生存を得られる症例もあり,適切な症例選択と術後管理が重要であると考えられた.
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