演題

他臓器浸潤直腸癌に対する腹腔鏡下手術の有用性の検討

[演者] 佐田 政史:1
[著者] 田辺 嘉高:1, 水内 祐介:1, 渡邉 雄介:1, 山方 伸茂:1, 石川 奈美:1, 西原 一善:1, 中野 徹:1
1:北九州市立医療センター 外科

【背景】直腸癌に対する腹腔鏡手術の有用性が報告されているが,他臓器浸潤を伴う局所進行直腸癌に対する報告は少なく,他臓器合併切除を伴う腹腔鏡手術の有用性について検討すべき課題は多い.【目的】他臓器浸潤を伴う進行直腸癌に対する腹腔鏡手術の有用性を検討する.【対象】2004年から2016年まで当院で施行された他臓器浸潤を伴う直腸癌切除症例55例.【結果】腹腔鏡手術は27例,開腹手術は28例.腹腔鏡群と開腹群で,性別,年齢,BMI,腫瘍局在,進行度,原発巣切除術式に差はなかった.浸潤臓器は,前立腺・精嚢・輸精管(腹腔鏡9:開腹3),子宮・膣・付属器(腹腔鏡7:開腹18),膀胱・尿管(腹腔鏡8:開腹2),小腸・結腸(腹腔鏡3:開腹3),腹壁・骨盤壁・壁側腹膜(腹腔鏡3:開腹3)であった.腹腔鏡手術の平均出血量は153ml,平均手術時間は292分,術後在院日数は29日で,開腹手術より有意に出血量が少なく(P=0.0004),手術時間(P=0.0067)と術後在院日数(P=0.0141)が短かった.術後合併症,局所の癌遺残,局所再発に関して,両群で統計学的有意差は認めなかった.【結語】他臓器浸潤を伴う直腸癌に対する腹腔鏡手術は,有用な治療選択肢の一つとなりうる.
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