演題

大腸低分化型腺癌の検討

[演者] 古屋 一茂:1
[著者] 池亀 昴:1, 渡邊 英樹:1, 中田 晴夏:1, 山本 淳史:1, 鷹野 敦史:1, 安留 道也:1, 羽田 真朗:1, 宮坂 芳明:1
1:山梨県立中央病院 外科

【背景】大腸低分化型腺癌は比較的まれな組織型であり,予後不良と論じられている.
【目的】予後を含めた大腸低分化型腺癌の臨床病理学的特徴を調査する.
【対象】2006年1月~2013年12月までに当院で行われた大腸癌手術症例のうち,高分化および中分化型腺癌628例(以下:T群)と低分化型腺癌40例(以下:P群)
【方法】両群において臨床病理学的諸因子を検討項目として,後方視的に比較検討した.
【結果】年齢中央値はT群/P群それぞれ70歳(18~96歳)/73歳(54~94歳),性別はT群:男性334例(53.2%)/女性294例(46.8%),P群:男性21例(52.5%)/女性19例(47.5%), 主占拠部位はT群:右側結腸215例(34.2%)/左側結腸+直腸413例(65.8%),P群:右側結腸21例(52.5%)/左側結腸+直腸19例(47.5%)(p=0.026),pStageはT群:0/31例(4.9%),Ⅰ/129例(20.5%),Ⅱ/202例(32.2%), Ⅲ/175例(28.2%), Ⅳ/89例(14.2%), P群:0/0例(0%),Ⅰ/2例(5.0%),Ⅱ/6例(15.0%), Ⅲ/19例(47.5%), Ⅳ/13例(32.5%)でP群でより進行していた(p<0.001), StageⅣ症例のうち肝転移(+)はT群:63例(70.8%)/P群6例(46.2%),播種(+)はT群:24例(27.0%)/P群9例(69.2%)(p=0.004), 遠隔転移(+)はT群:35例(39.3%)/P群9例(69.2%)でP群に腹膜播種が多かった.5年全生存率ではT群:74.2%,P群:40.0%(p<0.001)でP群が有意に低く,再発症例はT群:96例(17.1%),P群:11例(37.9%)でP群に多く,再発部位の比較では腹膜再発がT群15例(15.6%),P群5例(45.5%)(p=0.016)とP群に多く,さらに再発後の生存期間中央値はT群で33か月,P群で16か月(p=0.003)とP群で有意に短かった.
【結語】低分化型腺癌の症例は進行癌が多く,予後不良であった.高,中分化腺癌とは異なる治療方針を考慮する必要性が示唆された.
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