演題

大腸原発のclear cell carcinomaの1例

[演者] 神賀 貴大:1
[著者] 佐藤 好宏:1, 梶原 大輝:2, 竹村 真一:1, 土井 孝志:1, 野沢 佳弘:3
1:白河厚生総合病院 外科, 2:石巻赤十字病院 外科, 3:白河厚生総合病院 病理診断科

大腸原発のclear cell carcinomaの1例
Clear cell carcinoma of the colon: a case report
<はじめに>大腸原発のclear cell carcinomaは非常にまれな疾患であり,本邦の大腸癌取り扱い規約には記載がない.消化器腫瘍のWHO分類第4版にはrare vaiantsとして記載があるが,詳細は記されていない.本邦ではFuruyaらとSogaらの2例の報告があるのみである.
<症例>63歳,女性.検診で便潜血検査が陽性となった.下部消化管内視鏡を施行したところ横行結腸に0型-Ⅱaの腫瘍を認め,生検にて低分化腺癌の診断となった.内視鏡的切除術は困難であり,腹腔鏡補助下横行結腸切除術を施行した.術後は経過良好にて第10病日に退院した.病理組織学的検査では,淡明な胞体を有し,核が円形で核小体の目立つ異型細胞が集合して浸潤,増殖し固有筋層を超えていた.PAS染色陽性で,グリコーゲン陽性であった.免疫染色では,CK-7,CK-20,CD-10,Vimentin,CDX2,desmin,HMB-45,S-100,SMA,CD56,synaptophysin,chromogranin,EGFRはすべて陰性であった.静脈浸潤があることから悪性腫瘍であるが,上皮系や間葉系のどの細胞由来かは不明であった.HE染色の形態からclear cell carcinomaの診断となった.術後にPET-CTを施行するとともに泌尿器科および婦人科で精査を施行した.腎・尿路系および子宮・卵巣に腫瘍性病変を認めず,横行結腸癌は大腸原発のclear cell carcinomaの診断となった.術後1年目に施行した腹部造影CTでは癌の再発はなく,また腎・尿路系や子宮・卵巣にも腫瘍性病変を認めず,無再発生存中である.
<考察>大腸原発のclear cell carcinomaは非常にまれな疾患である.免疫染色ではCK20陽性,CK7陰性となる報告が多く,大腸原発とする根拠になっている.一方,本症例ではCK20陰性,CK7陰性であった.本症例が原発性か転移性かは非常に重要な問題であり,文献的考察を加えて報告する.
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