演題

下部消化管穿孔手術症例に対するリコンビナント・トロンボモジュリンの使用経験

[演者] 石田 智:1
[著者] 田村 茂行:1, 内藤 敦:1, 村上 剛平:1, 桂 宜輝:1, 大村 仁昭:1, 賀川 義規:1, 竹野 淳:1, 武田 裕:1, 加藤 健志:1
1:関西労災病院 外科

【目的】 リコンビナント・トロンボモジュリン(以下rTM)は本邦での他施設二重盲検試験において,ヘパリンと比較して有意にDICを改善させたと報告されている.特に下部消化管穿孔症例ではDICの合併頻度が高く,DICを合併している症例では術後在院期間が延長するとの報告があり,DICの早期改善が望まれる.今回我々は当院におけるrTMを投与した下部消化管穿孔症例の成績を検討した.
【方法】対象は当院において2013年1月から2016年3月までに下部消化管穿孔認めrTMを使用しICU管理を要した24症例.患者背景として年齢・性別・rTM投与時のSIRS score・急性期DIC score・血液検査所見を検討した.治療項目としてATⅢ製剤・免疫グロブリン・ステロイド・抗生剤・PM・輸血の施行の有無を検討した.治療評価項目として急性期DIC score・SIRS score・各種血液検査所見を検討した.転帰として,rTM投与期間・DIC改善率・DIC離脱率・rTM投与後ICU滞在期間,rTM投与後在院日数を検討した.
【成績】年齢の中央値は77歳,治療前の各項目の中央値はSIRSは2点,DIC scoreは2点,血小板数は189000/μl,CRPは8.9mg/dL,Albは2.45g/dlであった.急性期DIC scoreにおいては中央値で投与7日目に改善を認めた.転帰としては,いずれも中央値において,rTM投与期間は5日,DIC改善率は83.3%,DIC離脱率は58.8%,rTM投与後ICU滞在期間は4日,rTM投与後在院日数は44日であった.死亡例は4例あり,DIC離脱後,原病の増悪による死亡が3例,DICを離脱できず,手術翌日に死亡した例が1例であった.
【考察】rTM投与日の急性期DIC scoreの中央値は2点であり,当院では主治医がDICと判断した時点でrTMを投与することが多かった.DIC改善率は83.3%,DIC離脱率は58.8%であり,出血などのrTMの有害事象は認めなかった.術後在院は中央値で44日であり,他の文献と比較して良好な結果であった.
【結語】下部消化管穿孔症例に対してrTMは安全に投与することが可能であり,良好な治療経過に寄与すると考えられた.
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