演題

WS07-8

早期乳頭型胆管癌(IPNB)切除時における胆管断端の上皮内癌遺残が予後に与える影響

[演者] 尾上 俊介:1
[著者] 江畑 智希:1, 横山 浩幸:1, 國料 俊男:1, 角田 伸行:1, 伊神 剛:1, 菅原 元:1, 深谷 昌秀:1, 上原 圭介:1, 梛野 正人:1
1:名古屋大学大学院 腫瘍外科学

【背景】Tis-T2N0胆管癌では,胆管断端における上皮内癌(CIS)の遺残は予後を悪化させることが報告された.IPNBの疾患概念は未確定であるため,乳頭状成分を持つ胆管癌(PCC)のうち早期病変において,胆管断端におけるCISの遺残が,予後に与える影響を検討した.
【方法】胆管癌切除644例(1998-2011年)のうちPCCは184例認めた.そのうち早期病変は118例(Tis:14例,T1:28例,T2:76例)認めた.切除断端における癌遺残の有無(R)を,R0(癌なし,n = 98),R1cis(CISのみ,n = 18),R1inv(浸潤癌,n = 2)に分類し,R1invを除く116例を対象とし,R0とR1cisの臨床病理像ついて比較検討を行った.
【結果】年齢,占拠部位,腫瘍径は両群間で有意差を認めなかったが,性別はR0で男性59例(60%),R1cisで男性16例(89%)であり,有意差を認めた(P=0.019).pT2症例はR1cisで17例(94%)であり,R0の57例(58%)よりも有意に多く認めた(P<0.001).優勢組織像は,tubが両群で最も多かった(R0:60例,61%,R1cis:12例,66%,P=0.908),脈管神経周囲浸潤の比較では,R1cis症例でneを有意に多く認め(R0:40例,41%,R1cis:14例,78%,P=0.004),表層拡大はR1cisに有意に多く認めた(R0:57例,58%,R1cis:16例,89%,P=0.013).一方,リンパ節転移陽性の割合は有意差を認めなかった(R0:10例,10%,R1cis:5例,28%,P=0.056).R0の3,5年生存率は79.5%,70.1%であり,R1cisの66.2%,9.9%より,有意に予後が良好であった(P=0.001).コックスハザードモデルを用いた多変量解析を行うと,切除断端におけるCIS(HR:2.69,95%CI:1.31-5.51,P=0.007),リンパ節転移陽性(HR:2.28,95%CI:1.08-4.81,P=0.030)の2項目が独立予後規定因子として挙げられた.
【結語】早期PCC(Tis-T2,IPNB?)において,切除断端におけるCISの遺残は予後を増悪させるため,胆管断端のCISを避ける手術が望ましい.
詳細検索