演題

下部消化管穿孔におけるEndotoxin Activity Assay(EAA)を用いた重症度評価

[演者] 藤政 浩一朗:1
[著者] 村上 雅彦:1, 青木 武士:1, 松田 和広:1, 五藤 哲:1, 藤森 聰:1, 渡辺 誠:1, 吉武 理:1, 大塚 耕司:1
1:昭和大学病院 消化器・一般外科

【背景】下部消化管穿孔は糞便性の腹膜炎からsepsisに移行する危険性が高く,重症度を迅速に判断し適切な治療を早期に開始する必要がある.sepsisの起因物質であるエンドトキシンの有無は重症度を評価する因子の一つであるが,現行のリムルス法(LAL法)は測定に数日間を要するため,迅速な対応が求められるsepsisの治療において有用とはいえない.Endotoxin Activity Assay (EAA)法は化学発光による測定法で,30分後には結果を得ることが可能であり,敗血症患者における重症度評価としても有用であるとされている.今回,下部消化管穿孔症例を対象にEAAを用いた重症度評価について検討した.
【方法】2014年8月から2016年11月に下部消化管穿孔にて緊急手術を施行した13例を対象とした.エンドトキシンをEAA法にて測定し,0.04未満(L群, n=6),と0.04以上(H群, n=7)の2群に分け,APACHEⅡやSOFAスコア等の重症度評価項目と比較検討した.また,LAL法においてもエンドトキシン測定を行いEAA法との相関を検討した.本研究は学内倫理委員会の承認を得て前向き研究として施行した.
【結果】 年齢は73.9歳,穿孔部位は右側2例,左側11例であった.H群のAPACHEⅡスコア,SOFAスコア,乳酸値,血液培養陽性率はそれぞれ15.0±5.1,6.6±2.9,3.1±1.7,71.4%とL群と比較し高値であった.また,ICU滞在日数,術後在院日数も7.0,38日と延長を認めた.H 群では血液浄化療法としてPMXに加えてCHDFを必要とする症例が多くみられたが,全例救命可能であった.LAL法ではエンドトキシンは1例のみ検出されたが,EAA法では7例に中等度以上の反応を示し,両者に相関は認められなかった.
【結語】EAA値は迅速に診断可能な評価方法であり,下部消化管穿孔に対する早期重症度評価として有用な手法となる可能性が示唆された.
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