演題

WS07-7

Intraductal papillary neoplasms of the bile duct (IPNB)6例の臨床病理学的検討

[演者] 宇山 直樹:1
[著者] 近藤 祐一:1, 中正 恵二:2, 廣田 誠一:3, 裴 正寛:1, 鈴村 和大:1, 麻野 泰包:1, 岡田 敏弘:1, 波多野 悦朗:1, 藤元 治朗:1
1:兵庫医科大学病院 肝・胆・膵外科, 2:兵庫医科大学病院 病理学, 3:兵庫医科大学病院 病院病理

(背景) Intraductal papillary neoplasms of the bile duct (IPNB)は肝内大型胆管および肝門部,肝外胆管に発生し,胆管内腔に乳頭状もしくは絨毛状発育を示す病変で,膵IPMNsの胆管カウンターパートとみなされている.しかし,術前診断,病理診断,予後や術式決定に関してはいまだ不明な点が多い.今回,我々が経験したIPNB6例について臨床病理学的に検討し,手術術式について検討した.
(対象と方法)2010年以降当科にて肝切除術を施行し,IPNBと診断され6例について①画像による腫瘍の局在と形態学的分類〈Cystic type, Ectasia type(general type, local type), Mixed type:日本胆道学会分類に準じて〉②腫瘍マーカー③術式④病理結果(腫瘍径,MUC 発現による組織亜型,浸潤癌の有無,脈管侵襲,リンパ節転移)および⑤再発の有無について検討した.
〈結果〉6例中男性は4例で,平均年齢は75.8歳(59-84歳)であった.腫瘍の局在は肝内4例(すべて左葉),肝門部2例であった.画像の形態学的特徴としてはCystic type 2例 Ectasia-general type 2例 Ectasia-local type 1例,Mixed type 1例であった.腫瘍マーカーはCA19-9の上昇(41.4-179.8 U/ml平均値123.3 U/ml)を3例に認め,全例術後の低下を認めた.施行手術は左葉切除が5例(1例肝外胆管切除施行),右葉切除+肝外胆管切除1例であった.病理結果では腫瘍径は12-48mm(平均値25mm)でMUC発現による組織亜型分類は胆膵型4例 胆膵+胃型1例 腸型1例であった.全例一部浸潤癌を伴っていたが,切離胆管断端は陰性で郭清したリンパ節に転移は認めず,リンパ管侵襲・血管侵襲も認めなかった.術後観察期間は2カ月~8年2ヶ月であるが再発症例は認めていない.
(まとめ)IPNB 6例の検討を行った.4例が肝内に,2例が肝門部に主座を認め,全例領域リンパ節郭清と肝葉切除を行った.肝門部に存在したものは肝外胆管切除も行った.病理結果では断端陽性例はなく,リンパ節転移例も認めず,全例根治手術を行えた.以上より肝内に限局するものは葉切除,肝門部に存在するものは葉切除+肝外胆管切除を行うべきで,リンパ郭清に関しては,我々の経験した症例では必要がないと考えられた.また,画像による形態学的特徴,免疫染色による組織亜型の明らかな悪性度への関与は認めなかった.
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