演題

当院における人工肛門閉鎖術後早期合併症の検討

[演者] 鈴木 卓弥:1
[著者] 山川 雄士:1, 絹笠 祐介:1, 塩見 明生:1, 山口 智弘:1, 賀川 弘康:1, 杉浦 禎一:2, 坂東 悦郎:2, 寺島 雅典:2, 上坂 克彦:2
1:静岡県立静岡がんセンター 大腸外科, 2:静岡県立静岡がんセンター 消化器外科

【背景・目的】肛門温存手術の増加に伴い,一時的な人工肛門を造設し,その後に閉鎖術を施行する症例が増加している.そこで当院における人工肛門閉鎖術後の早期合併症の発生頻度を明らかにすることを目的に検討を行った.【対象・方法】2003年1月から2016年9月までに当院で人工肛門閉鎖術を施行した600例を対象とし,合併症についてretrospectiveに検討した.また,SSIについてリスク因子を詳細に検討した.【結果】患者背景は男/女:407/193,年齢中央値64歳(23-85歳).原疾患の内訳は,結腸癌:41例,直腸癌:503例,肛門管癌:2例,カルチノイド:5例,潰瘍性大腸炎:2例,Familial adenomatous polyposis (FAP):3例,直腸GIST:12例,NET:3例,大腸穿孔(憩室,ESD/EMR後など):12例,その他(他臓器悪性腫瘍,直腸腟瘻など):17例であった.一時的な人工肛門造設部位は回腸/横行結腸:533/67,造設から閉鎖までの期間中央値5ヶ月(1-54ヶ月),閉鎖術以前に化学療法を施行した症例が152例であった.人工肛門閉鎖時の手術に関しては,閉鎖術単独が556例,他手術(肝切除,胃切除など)時の同時閉鎖が44例であった.手術時間中央値65分(25-649分),出血量中央値20ml(0-1681ml)であった.Clavien-Dindo分類Grade I以上の術後合併症は88例(14.7%)に認められた.術後合併症の内訳は手術部位感染症(Surgical Site Infection:SSI):40例(6.7%),腸閉塞:28例(4.7%),腸炎:18例(3.0%),吻合部出血:10例(1.7%),縫合不全:2例(0.3%)であった(重複あり).またSSIの発生有無に関して,性別,年齢,BMI,糖尿病の既往,術前化学療法の有無,閉鎖術単独もしくは他手術と同時閉鎖,吻合法(手縫いもしくは器械吻合),手術時間,出血量,造設から閉鎖までの期間について単変量解析を行った.有意差の認められた性別,BMI,手術時間,出血量を共変量として多変量解析を行った結果,男性,BMI22以上,手術時間72分以上,出血量20ml以上がSSI発生のリスク因子であった.
【結語】人工肛門閉鎖術後の早期合併症発生頻度に関して検討した.SSI発生に関しては,これらのリスク因子を考慮して低減に努めることが望ましいと考える.
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