演題

WS07-4

肝原発IPNB症例の臨床病理学的検討

[演者] 高橋 健二郎:1
[著者] 野村 頼子:1, 佐藤 寿洋:1, 酒井 久宗:1, 川原 隆一:1, 石川 博人:1, 久下 亨:1, 安永 昌史:1, 赤木 由人:1, 奥田 康司:1
1:久留米大学病院

【はじめに】Intraductal papillary neoplasm of bile duct (IPNB)は肝内外の胆管内に発生する乳頭状腫瘍でまれな疾患である.特に肝原発のIPNBの報告例は少ない.今回,当院における肝原発のIPNBについて検討を行った.
【対象】2008年1月~2016年3月まで久留米大学外科で肝切除を施行した860例(肝腫瘍数:1011個)のうち,病理組織学的に肝原発のIPNBと診断された4例を対象とし,臨床病理学的因子,画像所見,再発,予後を検討した.
【結果】平均年齢は,76.6歳で,性別はすべて男性であった.主訴は,上腹部違和感が2例,画像異常が2例であった.腫瘍占拠部位は肝S4が2例,肝S4/5が1例,肝S5が1例で,いずれも肝S4,5に認められた.平均腫瘍径は,33.3mmであった.
CTで末梢胆管の拡張, 腫瘍内部の遷延性の造影効果を認め,MRIで腫瘍内部の出血壊死および豊富な粘液成分を認めた.治療は,全例で区域切除以上の系統的肝切除を施行した(全例R0切除).4例全例で,リンパ節の腫脹は認めず,リンパ節郭清は施行しなかった.
【術後経過】平均観察期間は,26.8ヶ月であった.4例全例とも生存中で3例が無再発で経過し,1例が術後28ヶ月で多発肺転移再発を認めた.再発を認めた1例は,化学療法を希望されず,現在当院外来にて経過観察中で,術後35ヶ月現在,生存中である.
【病理所見】術後病理組織標本を検討すると,いずれも胆管拡張および胆管内に乳頭状の腫瘤を形成していた.また,末梢側,中枢側両方向に胆管上皮異形成が広範に認められた.2例で肝実質内への浸潤は認めず,2例で肝実質内への一部浸潤を認めた.
今回のわれわれの結果からも画像所見は比較的共通しており,術前にIPNBを診断することは十分可能と考えられた.胆管内上皮異形成が広範に及ぶことを十分考慮したうえで術式を選択することが重要である.末梢側の水平進展に対しては広範囲な系統的切除を選択し,中枢側の水平進展に対しては胆管切除断端の術中迅速病理での対応が一考される.
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