演題

PP15-6

大腸癌肝転移肝切除例における術前肝機能評価の検討

[演者] 入江 利幸:1
[著者] 青木 悠人:1, 谷合 信彦:1, 吉岡 正人:1, 清水 哲也:1, 神田 知洋:1, 近藤 亮太:1, 金谷 洋平:1, 古木 裕康:1, 内田 英二:1
1:日本医科大学付属病院 消化器外科

【緒言】大腸癌肝転移では切除も含めた集学的治療が行われ,化学療法施行後に肝切除を施行する症例も増えている.しかし,大腸癌で使用されるレジメンには,sinusoidal obstructive syndrome(SOS,いわゆるblue liver)の原因となるオキサリプラチンやsteatohepatitis(いわゆるyellow liver)の原因となるイリノテカンなど,肝機能障害の原因となる薬剤が含まれることも少なくない.大腸癌化学療法と肝切除術前肝機能評価に対する一定の見解はなく,大腸癌肝転移集学的治療時代における肝切除術前肝機能評価方法を検討する.
【対象・方法】当科において2015年1月から2016年11月までの大腸癌肝転移に対する肝切除40例を対象とした.肝切除前の化学療法施行群(CTx(+)群,23例)および非施行群(CTx(-)群,17例)にわけ,術前肝機能評価(ICG検査・ヒアルロン酸・T-Bil・ChE・PT%)の関連を検討した.また,化学療法の施行期間でなし及び3ヶ月以内,3~6ヶ月,6ヶ月以上の3群にわけ,化学療法期間との関連を検討した.
【結果】CTx(+)群のうち21例で3ヶ月以上,16例で6ヶ月以上化学療法が施行されており,化学療法期間の中央値は7ヶ月であった.オキサリプラチンベースの化学療法が 19例,イリノテカンベースが8例,うち7例はいずれも施行されていた.その他はUFT+UZELが2例・5FU + LVが 1例であった.7例にBev,4例にP-mabまたはC-mabが併用されていた.手術術式は区域切除以上が7例,亜区域切除が4例,部分切除が28例,開腹ラジオ波焼灼術1例であった.
CTx(+)群でCTx(-)群に対しICG-R15が高い傾向にあったが有意差は認めず(13.2% vs 6.9%, p=0.052),ヒアルロン酸・T-Bil・ChE・PT%も有意差を認めなかった.化学療法期間による比較では,化学療法なし及び3ヶ月以内の症例に比べ6ヶ月以上化学療法を施行した症例で有意にICG-R15が高値であった(7.1% vs 15.4%, p=0.030).6ヶ月以上化学療法の施行で分けると,有意にICG-R15が高かった(15.4% vs 7.3%, p=0.023)がヒアルロン酸・T-Bil・ChE・PT%には有意差を認めなかった.
【考察】本研究では大部分の症例にオキサリプラチンが投与されていた.6ヶ月以上のオキサリプラチン投与により,ICG-R15が高値となり,肝障害に注意が必要と考えらる.しかしその他の採血データには差を認めなかった.
【結語】化学療法を施行された大腸癌肝転移における術前肝機能評価においても,ICG検査が重要である.
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