演題

PP15-4

減黄症例における門脈塞栓術後の予定残肝肥大率

[演者] 宮田 陽一:1
[著者] 中沢 祥子:1, 三井 哲弥:1, 二宮 理貴:1, 牧 章:1, 小澤 文明:1, 別宮 好文:1
1:埼玉医科大学総合医療センター 肝胆膵外科・小児外科

【背景】肝門部領域胆管癌に対して,大量肝切除が必要となる症例には術前に門脈塞栓術(percutaneous transhepatic portal embolization; PTPE)を行い,予定残肝を肥大させる必要がある.このような症例の多くは黄疸を発症しており,肝機能低下が示唆されるが,PTPEによる予定残肝の肥大に対する影響に関しての報告は少ない.
【対象と方法】2013年1月~2016年11月に当科で手術を行った,肝門部領域胆管癌のうち,術前にPTPEを施行した黄疸症例8例を対象とした.減黄に対する反応性はビリルビン減少率[(減黄前ビリルビン値-減黄後ビリルビン値)/減黄期間]と定義し定量的に評価した.また予定残肝肥大率は[(PTPE後予定残肝volume-PTPE前予定残肝volume)×100/PTPE前予定残肝volume/PTPEから評価CTまでの期間](remnant liver hypertrophic rate; RLHR)(%/day)と定義し,1日当たりの肥大率として評価した.減黄前ビリルビン値,PTPE前ビリルビン値,PTPE前ICG15分値,ビリルビン減少率と,RLHRとの関係について評価した.
【結果】術式の内訳は拡大右葉切除6例(うち膵頭十二指腸切除兼; HPD3例),左三区域切除2例(うちHPD1例)であった.減黄前ビリルビン値,PTPE前ビリルビン値の中央値は12.0(3.8~42.3)mg/dl,1.9(0.6~3.2)mg/dlであった.PTPE前ICG15分値の中央値は14.2(8.0~22.3)%であり10%以下であった症例は2例(25%)であった.PTPEから肝volume評価までの日数は20(9~35)日であり,予定残肝は中央値で135(105~162)%に肥大しており,RLHRは1.71(0.32~2.93)%/dayであった.RLHRと減黄前ビリルビン値,PTPE前ビリルビン値とはよく相関しており(r=-0.798, P=0.018,r=-0.835, P=0.010),ともにビリルビン値が高いほど低い傾向にあった.またRLHRはPTPE前ICG15分値とも良く相関しており(r=-0.822, P=0.023),肝機能が悪いほど低い傾向にあった.RLHRとビリルビン減少率との間には相関は見られなかったが(r=0.451, P=0.262),ビリルビン減少率が高いほどRLHRは大きくなる傾向にあった.
【結語】減黄前のビリルビン値の高い症例ではRLHRは低くなる傾向が見られたが,減黄による反応性がよい症例ではRLHRが大きくなる可能性が示唆された.またPTPE前に十分に減黄を行い,肝機能を良くすることで,RLHRが高くなる可能性が示唆された.
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