演題

PP15-2

PTPE施行後肝切除における中長期的な肝機能再生の検討

[演者] 伊吹 省:1
[著者] 阿部 雄太:1, 板野 理:1, 篠田 昌宏:1, 北郷 実:1, 八木 洋:1, 日比 泰造:1, 北川 雄光:1
1:慶應義塾大学医学部 一般・消化器外科

【背景】術前経皮経肝的門脈塞栓術(PTPE) は大量肝切除における肝不全を減少し,広範囲の系統的な肝切除が施行可能となった.PTPEにおける短期的な成績は多くの知見があるものの中長期的な肝機能再生における知見は限られている.今回,術後の化学療法が重要な治療戦略となり中長期的な肝機能が集学的治療の鍵となる胆道癌および転移性肝癌における中長期的な肝再生について検討した.
【目的】胆道癌および転移性肝癌において,PTPE施行後肝切除症例における中長期的な肝再生と肝機能に関連する因子を検討する.
【対象】2008年1月から2016年12月までに当院でPTPEを施行した胆道癌および転移性肝癌33例.
【方法】PTPE施行前,PTPE施行後(術直前),6POMにおいて肝容積を画像解析ソフトSYNAPSE VINCENT TM(Fuji film. Co.)を用いて計測した.術前患者背景および,PIPE施行前,PTPE施行後,術前,6POMにおける血液検査データを電子カルテより抽出した.
解析① PTPEによる残肝肥大率について関連因子を検討した.
解析② 6POMの残肝と術前全肝容積を比較し,関連因子を検討した.
【結果】疾患は,胆管癌22例,胆嚢癌1例,IPNB1例,転移性肝癌9例(大腸癌6例,腎細胞癌1例,胃癌1例,GIST1例)であった.
解析① PTPE施行前の予測残肝容積は411±205ml,予測残肝(%)は34±17%であった.PTPE施行後の残肝肥大率は36±30%,予測残肝増大率(%)は9±7.1%増大した.上腹部手術歴を有する場合(p=0.0075),減黄歴を有する場合(p=0.0130)において有意に予測残肝増大率が低い結果であった.
33例中28 例が切除に至り,術後GradeB以上の肝不全は9例に認めたが肝不全による死亡は認めなかった.28例中6POMの肝容積測定は21例で可能であった.
解析②6POMの残肝は術前全肝容積と比較し78±14%であった.肝再生が不良であった群は,6POMでのChild-pugh scoreが高い傾向を認めた(p=0.0582).C-D≧3の術後合併症(p=0.0027),術前Alb低値(0.0087),PTPE後のChild-score高値(p=0.0415)が6POMでの肝再生不良のリスク因子であった.
【結語】胆道癌および転移性肝癌における肝再生不良が中長期の肝機能不良と関連する可能性が示唆された.集学的治療において長期的な肝機能維持のために術前栄養状態の改善,術後合併症の回避がPTPE後の肝切除においても重要である事が改めて示唆され,PTPE後の反応において肝切除後の中長期的な肝機能不良群を抽出できる可能性が示唆された.
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