演題

PP14-6

拡大肝切除術後の肝不全の危険因子についての検討

[演者] 藤井 義郎:1
[著者] 土持 有貴:1, 濱田 剛臣:1, 矢野 公一:1, 今村 直哉:1, 旭吉 雅秀:1, 七島 篤志:1
1:宮崎大学附属病院 肝胆膵外科

【目的】拡大肝切除後の肝不全の危険因子について検討した.
【方法】2002年より肝(拡大)右葉切除,右または左3区域切除を施行した97例 (右葉67,拡大右葉22,右3区域4,左3区域4) を対象とした.疾患の内訳は,原発性肝癌40例,転移性肝癌16例,胆道腫瘍35例, その他良性疾患6例で,97例中43例で術前門脈枝塞栓術(PTPE)を施行した.術後高ビリルビン血症(高ビ血症:T.Bil頂値5㎎/dl以上)がみられた症例または多臓器不全死した症例を肝不全例とみなし対照例と比較した.比較検討因子は,性別,年齢,疾患,背景肝,ICGR15,肝切除率(PTPE例は施行後の%),ICG-Krem,残肝GSA-Rmax (99mTc-GSAシンチ),術式,併施手術(胃全摘,PPPD,血管合併切除再建など),手術時間,出血量,輸血,肝阻血,術後合併症の有無とした.
【結果】術後肝不全症例は17例(18%)に認め,そのうち5例(5.2%)に手術関連死を認めた.17例中11例はPTPE施行例であった.単変量解析による有意な危険因子は,肝切除率,併施手術,術後合併症であった.肝機能の各種指標のうち有意差を認めた因子はなかった.多変量解析では術後合併症のみが有意な危険因子であった.
【結論】拡大肝切除後肝不全の肝機能指標による危険因子はなく,これは既に手術適応から除外されているためと考えられた. PTPEを施行しても肝切除率が十分に安全域でないと,併施手術を行うことにより,更に術後合併症の発症をきっかけに肝不全が起きやすくなると考えられた.
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