演題

PP14-1

肝切除におけるDPC入院期間の現状解析と課題

[演者] 林 洋光:1
[著者] 岡部 弘尚:1, 生田 義明:1, 赤星 慎一:1, 緒方 健一:1, 尾崎 宣之:1, 小川 克大:1, 武山 秀晶:1, 遊佐 俊彦:1, 高森 啓史:1
1:済生会熊本病院 外科センター

【はじめに】平均在院日数は総合的な治療能力を反映していると考えられ,近年,病院の臨床指標のひとつとなっている.肝・胆道癌に対する肝切除は,術式に応じてその難易度および術後合併症発生率も様々で,DPCII期(全国平均術後在院日数)は15~18日(肝門部胆管癌28日)と設定されている.当院では,クリニカルパスを用いた多職種での情報の共有と連携により在院日数の短縮へ取り組んでいる.今回,肝切除におけるDPC 入院期間の現状解析と課題について検討する.
【方法と対象】2015年4月から2016年11月までに肝・胆道癌に対して肝切除を行った93例中,出来高算定である肝膵同時手術2例と他臓器同時手術7例を除いた84例を対象とし,術式毎に入院期間を検討し,DPC III期症例の特徴を解析した.尚,術前栄養評価はMNA-SF(簡易栄養状態評価表),術前レイル評価はClinical Frailty Scale (CFS)を用いた.【結果】術式は,部分切除~区域切除63例,2区域切除以上16例,胆嚢悪性腫瘍手術5例であった.術前・術後の平均在院日数は,各々1.6日(71%は前日入院),11.4日であった.部分切除~区域切除例では,腹腔鏡下肝切除20例,亜区域以上の高難度手術27例が含まれ,DPC I期1例(2%),II期50例(79%),III期12例(19%)であった.肝部分切除・外側区域切除に対する腹腔鏡手術20例は開腹手術16例と比べて有意に在院日数が短かった(10.3日vs13.4日)(P<0.05).2区域以上切除例では,肝門部胆管悪性腫瘍手術4例が含まれ,DPC I期1例(6%),II期13例(81%),III期 2例(13%)であった.胆嚢悪性腫瘍手術では,DPC II期4例(80%),III期1例(20%)であった.以上より,全体ではDPCI・II期での退院が82.1%であった.DPC III期退院15例中11例(73.3%)がGrade III以上の合併症(IIIa 10例,IIIb 1例)を認めた.さらに,胆嚢癌と胆管癌の2例を除いた13例は肝S7 もしくはS8が切除範囲に含まれた肝癌症例であった.また,術前フレイルあり(CFS≧4)は,術後在院日数を有意に延長したが(P<0.01),術前栄養状態は,術後在院日数短縮に寄与していなかった.
【まとめ】現行のクリニカルパスにより,肝切除例の8割はDPCII期以内での退院が可能であった.腹腔鏡下肝切除は在院日数短縮に寄与すると考えられた.一方で肝S7/8病変ならびにフレイルありは術後在院日数の延長(DPC III期)する危険因子であり,で肝S7/8病変に対する術式の工夫および術前リハビリの導入が今後の課題と考えられた.
詳細検索