演題

PP13-5

ICG蛍光法を用いた肝切除後術中胆汁リークテストによる術後胆汁漏予防の有用性

[演者] 柳橋 浩男:1
[著者] 有光 秀仁:1, 星野 敢:1, 千葉 聡:1, 高山 亘:1, 知花 朝史:1, 外岡 亨:1, 石毛 文隆:1, 岩立 陽祐:1
1:千葉県がんセンター 消化器外科

【はじめに】肝切除手術において,術後胆汁漏は時には難治性となり,また腹腔内膿瘍や胆汁性腹膜炎など重症合併症につながるため,回避すべき合併症である.当科では肝切除後胆汁漏予防を目的とした術中ナビゲーションとしてICG蛍光法を用いたリークテストを行っている.
【対象と方法】対象は2014年3月から2016年11月に当院で亜区域以上の肝切除を施行した39例.肝切離終了後,ガーゼ圧迫法にて切離面からの胆汁漏の有無を確認.その後に,ICG蛍光法を用いた胆汁リークテスト行う.1.胆管注入法;胆摘併施例は胆嚢管よりC-tubeを挿入しICGを胆汁と混和し0.05mg/ml 希釈液を5-10mlゆっくり注入し,肝切離面からの胆汁の漏出を近赤外線カメラにて観察した.2.静注法;胆摘後や,胆管切離吻合併施例,C-tube挿入困難例では,末梢静脈よりICG 2.5mg/mlを2ml静注し,静注30-60分後に肝切離面からの胆汁漏出を近赤外線カメラにて確認した.
【結果】胆管注入法33例,静注法6例で胆汁リークテストを行った.胆汁漏の確認については,ガーゼ圧迫法では4例が胆汁漏出を認めたが,ICG蛍光法ではさらに5例が確認可能で,胆管注入法で8例,静注法で1例認めた.胆汁漏を認めた部位は肝切離面またはGlisson切離端であり,縫合閉鎖を追加し,再度ICG蛍光法を用いて胆汁リークテストを行い,胆汁漏を認めないことを確認した.胆管空腸吻合部からの胆汁漏は認めなかった.術後胆汁漏は胆管注入法で2例(5.1%)に認めた.ICGに伴う副作用は全例で認めなかった.
【考察】ICG蛍光法による胆汁リークテスト導入以前の3年間では20%(15/75例)に術後胆汁漏を認めていたため,有意に減少した.本研究で術後胆汁漏をきたした2例については,1例は尾状葉切離面の確認が不十分であったものと考えられた.もう1例は術後腸閉塞をきたし,胆管内圧が上昇しGlisson切離断端が破裂したものであった.
【結語】ICG蛍光法を用いることで,目視のみでは確認困難な肝切離面からの胆汁漏出の可視化が容易となり,術後胆汁瘻の併発予防に寄与したと考えられた.
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