演題

WS07-2

胆管内乳頭状腫瘍の臨床病理学的検討と外科切除成績

[演者] 大塚 将之:1
[著者] 清水 宏明:1, 吉富 秀幸:1, 古川 勝規:1, 高屋敷 吏:1, 久保木 知:1, 高野 重紹:1, 鈴木 大亮:1, 酒井 望:1, 賀川 真吾:1
1:千葉大学大学院 臓器制御外科学

胆管内腔に乳頭状増殖を示す胆管上皮性腫瘍に対し胆管内乳頭状腫瘍(IPNB)の概念が提唱され,WHO分類では前癌病変から浸潤癌までのスペクトラムが規定されている.しかし,それらの概念は確立されたわけではなく,その病態,治療法,予後など不明な点は多い.今回,IPNBを臨床病理学的に検討するとともに外科切除成績につき解析した.[対象]肉眼的に胆管内腔に乳頭状増殖し,組織学的に血管結合織の芯を有する乳頭状構造をもつ腫瘍をIPNBと定義し,2000年以降外科切除した40例(男性21例,平均年齢69.5歳)を対象とした.
切除術式は肝葉切除以上±胆管切除(BDR)26例,肝区域切除4例,亜区域切除1例,膵頭十二指腸切除4例,HPD1例,S1S4+BDR1例,BDR3例であった[結果]腫瘍占拠部位は肝内19例,肝門部13例,遠位8例であり,何らかの自覚症状あるいは肝機能異常を認めた症例が28例70%であった.粘液過剰産生は11例28%に認められた.組織亜型では胆膵型が15例,腸型17例,胃型8例で,異型度はlow-/intermediate-gradeが5例,high-gradeが14例,浸潤癌が22例(胆管壁内にとどまる:11例)であり,さまざまなgradeの混在が26例にみられた.表層拡大進展は17例にみられ,リンパ節転移は深達度ss以上の症例4例に認められた.1年以上画像を追跡できた症例(1-6年)は7例あるが,切除標本での異型度はlow-/intermediate-gradeが2例,high-gradeが3例,浸潤癌が2例(胆管壁内にとどまる:1例)であった.疾患特異的切除後生存率は3年86%,5年72%,10年56%で,70歳以上,遠位胆管IPNB,胆管壁を超える浸潤,リンパ節転移が予後不良因子であった.切除後異時性発生と思われる胆道腫瘍を5例にみとめ,その発生時期は術後6-116ヶ月であった.[結論]IPNBはslow growingな腫瘍であるが,最終的には何らかの自覚症状,肝機能異常を伴う事が多く,またhigh-grade以上の病変が多いため,治癒切除をめざした外科治療を全例に対して考慮すべきである.深達度ss以上の症例ではリンパ節郭清も施行すべきと考える.切除後は発生部位,深達度,リンパ節転移に応じた対応が必要で,異時性胆道腫瘍の発生にも留意し,長期間経過観察する必要がある.
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