演題

PP13-2

肝切除後難治性胆汁漏に対し逆行性胆管ドレナージが有効であった4例

[演者] 大菊 正人:1
[著者] 関本 晃:1, 池田 貴裕:1, 宮崎 真一郎:1, 林 忠毅:1, 田村 浩章:1, 平山 一久:1, 金井 俊和:1, 池松 禎人:1, 西脇 由朗:1
1:浜松医療センター

肝切除後胆汁漏は経皮的ドレナージのみでは閉鎖されない難治性となる症例が存在する.今回2013年~2016年に経験した肝切除後難治性胆汁漏症例に対し,逆行性胆管ドレナージが有効であった4例について報告する.症例は肝細胞癌2例,大腸癌肝転移1例,肝内胆管癌1例で術式については亜区域切除2例,中央2区域切除1例,右葉切除術1例であった.胆道再建は右葉切除術の症例で併施されていた.手術時間は中央値462分,術中出血量は中央値930ml,術中輸血量の中央値は125mlであった.胆汁漏の発生部位は肝切離面に露出した右肝管2例,胆管空腸吻合部1例,不明1例で経皮的な追加ドレナージは3例に施行されていた.逆行性胆管ドレナージの形式はERCPによる経鼻胆管ドレナージが3例に施行されたが,胆道再建を施行された右葉切除症例では挙上空腸の断端に瘻孔を造設し胆道鏡下胆管ドレナージが施行された.胆管ドレナージ期間は中央値27日であったが1例は胆管狭窄の影響から再燃したため,プラスティックチューブに交換後約6か月留置し抜去していた.一般に腸管方向への胆管と交通がある交通型の肝切除後胆汁漏の治療方針はまず経皮的ドレーン管理を行い,瘻孔化させて徐々に抜去することを計画する.交通型かつ胆汁漏出量が減らない場合は胆道ドレナージを行うことが治療期間の短縮に有用であることが報告されている.今回の4症例においても治療経過は様々であったが胆管ドレナージを契機に膿瘍の縮小,胆汁漏の改善が得られた.ドレナージチューブにより原因部分を減圧し胆汁漏出を抑制することで漏出部の閉鎖を促す逆行性胆管ドレナージは,肝切除後難治性胆汁漏の有効な治療であると思われた.
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