演題

PO15-7

EOB-MRI画像を用いた肝機能評価の有用性:腹腔鏡下肝切除適応拡大に向けて

[演者] 木内 亮太:1
[著者] 坂口 孝宣:1, Le Minh Tuyen:1, 古橋 暁:1, 武田 真:1, 平出 貴乗:1, 柴崎 泰:1, 森田 剛文:1, 菊池 寛利:1, 今野 弘之:1
1:浜松医科大学医学部 外科学第二

【背景・目的】ICG検査は簡便な肝機能評価法であるが,シャントの影響を受ける欠点を持つ.今回,EOB造影前後のMRI肝組織信号強度測定による肝機能評価とICG検査結果を比較した.
【方法】2012年以降当院で施行した初回肝切除症例58例を対象とした.EOB-MRIの造影前,5, 10, 15分後の肝組織信号強度を測定,片対数グラフ得られた傾きをEOB-K値とし,ICG検査の15分停滞率(ICG-R15)とICG-K値との関係を検討した.
【結果】男女比47:11.年齢中央値70.5(31-87)歳.背景肝はC型肝炎18例,B型肝炎7例,原発性胆汁性胆管炎1例.ICG-R15中央値13.2(3.0-39.9)%,ICG-K値中央値0.141(0.061-0.261).EOB-K値中央値0.036(0.012-0.054).ICG-K値とEOB-K値は正の相関あり(r=0.372, p=0.004, Fig.1).ICG-R15とEOB-K値は負の相関あり(r=-0.397, p=0.002, Fig.3).しかし,3例(Fig.2 赤丸)はEOB-K値から想定された値よりも高いICG-R15を示した.この3例中2例は肝内シャントを有し,1例はChild Bであった.他の血液検査結果などからは,EOB-K値の評価の方が適切であろうと思われ,肝切除後の経過も問題なかった.
【結論】シャントを有する症例や一部のChild B症例では,肝潅流血流量の低下によってICG-R15が想定外に高くなる.このような症例では,EOB-K値による肝機能評価が有用と思われる.この場合,主なシャント経路である肝円索を損傷しないようなカメラポートセッティングを施した腹腔鏡下肝切除術が術後肝不全を防ぎうる術式として考慮される.

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