演題

PO15-1

肝切除症例における肝予備能評価としての術前γ-GTPの有用性

[演者] 石井 政嗣:1
[著者] 佐々木 健人:1, 平野 佑樹:1, 柏木 浩暢:1, 西岡 道人:1, 飯尾 宏:1, 壁島 康郎:1
1:伊勢原協同病院 外科

【背景】肝腫瘍に対して肝切除は有効な治療法だが,予期せぬ術後の肝不全は少なからず存在しているのが現状である.術前肝予備能評価はいまだに確立されたものが少なく,術前評価として満足いくものではない.今回,我々は術前評価による肝予備能評価の有用性につき検討した.
【目的】肝切除前に評価可能な肝機能評価検査の有用性を検討する.
【対象】2011年1月から2016年11月までに当院で肝切除を施行した49例.
【方法】International Study of Liver Surgery(ISGLS)分類でGradeA以上の術後肝不全の発生,術後肝機能の回復(T-Bil,Alb)と①年齢,②性別,③術前Child-Pugh score,④術前血小板数,⑤術前生化学検査,⑥術前ICG15分停滞率,⑦術中の出血量,手術時間,⑧手術術式(Hr)との関連につき検討した.
【結果】対象症例は年齢41~87歳,平均68.5歳,男性32例,女性17例であった.疾患はHCCが16例,大腸癌肝転移が25例,肝門部胆管癌が2例,肝内胆管細胞癌が3例,転移性肝腫瘍3例(大腸癌以外)であった.当院での術後肝不全は4例(ISGLS分類A/B/C=1/3/0)であった.
術後肝不全の予測因子としては単変量解析では手術時間,術前γ-GTP,手術時間,手術術式(Hr)が挙げられ,多変量解析では術前γ-GTP(p=0.032)が挙げられた.また,長期肝機能の回復の評価として,肝機能を示すとされているTB,Albの正常値までの回復の期間を比較するとTB<2mg/dl,Alb>3g/dlまでになる回復までの期間は術前γ-GTP <50IU/lで優位に早かった.
【考察】当院の解析から術前のγ-GTPの値と術後の肝機能回復に相関があるといえる.術前に潜在的な胆汁鬱滞を来たしている症例は慎重な術後管理が必要であり,将来的には術式決定の判断に有用である可能性が示唆された.
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