演題

PO13-5

肝内胆管癌再発におけるInterleukin-33の直接的・間接的影響に関する検討

[演者] 長岡 慧:1
[著者] 山田 大作:1, 江口 英利:1, 岩上 佳史:1, 浅岡 忠史:1, 野田 剛広:1, 和田 浩志:1, 後藤 邦仁:1, 土岐 祐一郎:1, 森 正樹:1
1:大阪大学大学院 消化器外科学Ⅱ

【背景・目的】肝内胆管癌は再発率の高い予後不良な癌腫であるが,その再発に係わる機構は不明な点が多い.近年,炎症性サイトカインIL-1ファミリーの一つであるIL-33の短期間暴露が,長期間に渡って胆道癌発育を促進する環境を形成することが報告された.IL-33は核クロマチンと結合し,安定して核内に存在する蛋白であり,炎症や感染,機械的損傷などの組織障害に応じて活性化サイトカインの形で細胞外へ放出する.そこで我々は,IL-33を豊富に保持する肝臓を背景肝とする肝内胆管癌に対して肝切除を行えば,機械的損傷によって背景肝がIL-33を大量に放出し,再発を促進する環境が作られていると仮説し,臨床検体を用いた検討にて実証し,報告してきた.今回その機序について検討するため,細胞を用いた検討を行った.
【対象・方法】肝内胆管癌細胞株 (HuCCT-1, CCLP-1) に,リコンビナントヒトIL-33 (rhIL-33) を投与後,Proliferation assay, Wound healing assay, MTT assayを行い,IL-33の肝内胆管癌に対する直接的影響を検討した.またIL-33高発現/低発現の肝切除検体から超音波破砕・遠心によって抽出した蛋白液を肝内胆管癌細胞株に暴露し,IL-33の肝内胆管癌に対する間接的影響を検討した.【結果】肝内胆管癌細胞株に対し,rhIL-33の暴露は各機能評価に有意な変化を及ぼさなかったが,IL-33高発現の肝切除検体から抽出した蛋白液を加えた細胞ではIL-33低発現の抽出液を加えた細胞と比較し,増殖能,遊走能の上昇を認めた.Proliferation assay: IL-33 high vs low, 131.6% vs 100.0%, HuCCT-1 p<0.001, 128.5% vs 100.0%, CCLP-1 p<0.001, Wound healing assay: IL-33 high vs low, 108.2% vs 100.0%, HuCCT-1 p=0.0277, 111.8% vs 100.0%, CCLP-1 p=0.0165. また,抗癌剤耐性能については肝細胞抽出液の検討でもIL-33の発現による差は認めなかった.【結語】IL-33を豊富に保持する背景肝には肝内胆管癌の増殖能,遊走能を上昇させる物質が存在しており,IL-33が肝内胆管癌再発を助長する環境を作り出している可能性が示唆された.
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