演題

PO13-4

肝細胞癌の微小環境におけるC5aR高発現間質細胞を介した癌浸潤・転移メカニズムの解析

[演者] 甲斐田 剛圭:1
[著者] 新田 英利:1, 有馬 浩太:1, 中川 茂樹:1, 今井 克憲:1, 橋本 大輔:1, 山下 洋市:1, 近本 亮:1, 石河 隆敏:1, 馬場 秀夫:1
1:熊本大学大学院 消化器外科学

【目的】C5aは,補体カスケードにおいて産生される重要な因子の一つであり,強力なケモカイン作用を示す.C5aは癌微小環境にて産生され,C5a受容体 (C5aR)を持つがん細胞に作用して癌細胞の浸潤能を促進させていることが報告されており,がん微小環境におけるC5aRの発現の意義が注目されている.今回,in vitro実験において,C5aR高発現の肝星細胞が,肝細胞癌の進展にどのように関与しているかを解明する.
【方法】Western blottingにおいて肝細胞癌株,肝星細胞におけるC5aRの発現を評価した.C5aR高発現肝星細胞株と肝細胞癌株との共培養によるgrowth assayとinvasion assayにより増殖と浸潤脳について解析した.
【結果】Western blottingにて肝細胞癌株 (Huh1, Huh7)と肝星細胞株 (Lx2)において,C5aRの高発現を認めた.C5aR低発現肝細胞株 (HLE, HLF)とC5aR高発現肝星細胞株 (Lx2)を用いて以下の実験を行なった.共培養によるMatrigel chamber assayでは,Lx2をC5a recombinantにて刺激することによりコントロール群よりもHLE,HLFの浸潤効果が2.61倍,1.93倍増加した.またC5aR-Antagonistを用いることによってその浸潤能が抑制された.共培養によるgrowth assayでは,コントロール群とC5a recombinant刺激群とでは有意差は認められなかった.肝細胞癌患者の切除標本を用いた蛍光免疫染色において,Cancer-associated Fibroblasts (CAF)のマーカーの一つであるα-smooth muscle actin (α-SMA)とC5aRとの共発現を確認した.
【結論】がん微小環境においてC5aR高発現の肝星細胞が,肝細胞癌の浸潤能を増加している可能性が示唆された.
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